豪雨時代を生きる 被災地・愛媛から

気候変動の影響で、毎年のように国内各地で異常気象による災害が発生するようになっている。今年7月には西日本を中心に広い範囲を豪雨が襲った。愛媛ではダムが緊急放流に追い込まれて町並みが泥の川に沈み、400を超える土砂崩れが起きて建物をつぶした。豪雨から4カ月となる6日現在、県内の死者・行方不明者数は過去60年間の風水害で最悪の30人(関連死を含む)。豪雨は今後さらに増加し、激甚化するといわれる。川や山の恵みに生かされてきた私たちは天災続発の時代をどう乗り越えていけばいいのだろうか。第1部は被災者の視点で発災当時を振り返り、何が命を分けたのかを考える。

地元の災害危険箇所を調べて書き込んだ地図を掲げて、説明する児童=2019年7月下旬、西条市(同市提供)
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