• 東予

  • 中予

  • 南予

%はの降水確率

  • [PR]

[下]企業誘致 地元雇用創出に期待 若者の流出歯止め狙う 2013年03月29日(金)

鬼北町のクリなどが使われる予定の源吉兆庵の商品。加工場建設で雇用創出が期待されている=18日、県庁

 「財政力の弱い鬼北町にとって収入源である地方交付税の見通しは」。3月定例町議会初日、議員が一般質問で懸念を投げ掛けた。
 財政の豊かさを示す町の財政力指数は0・214(2009〜11年度平均)と、県内20市町で下から3番目。11年度の普通会計歳入総額73億円のうち、交付税などの依存財源は79%にも上る。
 合併後11年目の15年度からは財政優遇措置が縮減され、交付税が段階的に引き下げられる。20年度の交付税は、14年度と比べ約3億8千万円の減額が想定される。町は膨大な交付税減額を見据え、09年から4年間で正職員188人を175人に減らす一方、町営施設への指定管理者制度導入で観光分野でも歳出カットに励む。
 町を代表する観光施設・成川渓谷休養センター(奈良)は温泉やロッジなどを運営しているが、類似施設の増加や施設老朽化の影響などで、11年度の客数は約5万2400人。6年前に比べて約8500人減り、赤字経営が続く。民間のノウハウ導入で再起を図ろうと、町は今年4月から東京の企業を指定管理者に指定し、年間約1400万円の経費削減を見積もる。
 町の人口は新町発足後の8年間で約1万2800人から約1万1500人へと1割減った。町幹部は「若者が働く場所がないから、人口が減少し財政が悪化する悪循環に陥っている」と語る。
 現状改善に向け、町が力を入れるのは企業誘致。今年2月から、高温炉・ポンプのメンテナンス会社「ハイテンプ・マテリアルズ・システム」(東京)に、北宇和高校日吉分校跡地(上大野)を無償で貸し付けている。半導体製造に用いる黒鉛の高純度製品開発や再生可能エネルギー発電などに取り組む計画で、20人程度の地元雇用創出を狙う。
 3月中旬には、宇和島市、松野町、JAえひめ南とともに、高級和菓子製造販売の「源吉兆庵」(岡山市)と農作物提供に向けた連携協定を締結。当面は同JAを通じてクリ約10トンの取り引きを計画する。農作物の安定供給を前提に、約5万8千平方メートルのうち4割程度が未活用の近永アルコール工場跡地に、加工場建設も見込む。
 岡山市に農業生産法人を持つ同社は「加工用の農作物を生産するため、地域の高齢者らと一緒に取り組んでいきたい」とし、圏域での生産組織設立も視野に入れている。
 もろい財政の上に少子高齢化や農業衰退が進む中山間地で、雇用をいかに生み出すか。企業誘致は緒に就いたばかりだ。(高田未来)

  • 愛媛新聞モバイル
  • 新聞購読お申し込みボタン
  • 愛媛の経済サイトE4
  • オンラインサービスお申し込みボタン

一覧≫