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特集西条市長選2012年11月06日(火)

周桑病院ロビーに設けられたコーナーで、患者の骨の状態を検査するスタッフ=8月15日、西条市壬生川

融和への流れ(2) 医療 1次救急体制を集約 進む医師不足 解決策困難

 西条市内の医療環境は、過去4年間で大きく変化した。赤字続きだった市西部の基幹医療機関「市立周桑病院」(同市壬生川)は2010年4月、公設民営化による経営改革に着手。今年7月には市休日夜間急患センター(同市野々市)も開所し、1次救急を1カ所で受け入れる体制が整いつつある。だが市全体の医師不足は進み、医療体制の維持に影を落としている。
 「骨密度良好。でも今後も食事バランスに気をつけて」。8月の周桑病院ロビー。看護師らが設けた、骨の状態を無料診断するコーナーに高齢者の列ができた。公設民営化後、同種イベントを複数開催しており、雁木淳一院長は「民営化でスタッフの士気が高まった証し」と自負する。
 同病院では医師が多い時の3分の1に減り、収支が悪化。雁木院長らが設立した医療法人が指定管理者となり、経営改革に本腰を入れた。165人の正職員を約50人減らし、給食を外部委託するなど経費を節減し、10、11両年度決算で黒字を達成した。
 だが、医師不足は今も経営の不安要素だ。10年に11人いた常勤医は異動などで3人減った。「当直などで負担の増えた医師が懸命に各診療科を支えている」(雁木院長)。新卒の研修医を3年連続受け入れるなど、勤務医確保の希望は見えつつあるが、診療体制維持はなお課題だ。
 急患センターは、内科と外科でそれぞれ在宅輪番制だった1次救急を集約し、患者の利便性を向上するため設立。休日は1日平均約70人、平日は同約10人が受診する。需要は高いが、指定管理者の市医師会は「当番の医師を確保するのは苦労が絶えない」という。
 特に外科系医師が少なく、平日夜間の外科は現在もセンター方式導入に至っていない。松浦裕医師会長は「内規では当番免除になる70歳代以上の医師や2次救急病院に輪番に入ってもらい当番を維持している」。10月には、30年以上市西部の地域医療を担ってきた市立中川診療所も医師不足で休止した。
 背景には、市内の医師総数の減少がある。市などによると、04年の209人が4年間で20人減少。勤務医が減った影響で、最近2年間は新たな開業もないという。市は県人会を通じ県外の地元出身医師に帰郷を促し、救急勤務医確保へ病院に独自の補助金を出すなど医師数増加策を打ち出すが、目に見える効果は表れていない。
 地方の医師不足は全国的な傾向で、即効性のある解決策を見いだすのは難しい。医師が働きやすい環境をつくり、少ない人材を有効活用して地域の医療を守る―。次期市政でも、重要な課題だ。

   
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