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特集西条市長選2012年11月05日(月)

西条市内を流れる加茂川。市は豊富な水を活用した産業振興と地下水保全の両立を目指している

融和への流れ(1) 水と産業振興 特色生かし企業誘致 県との連携 分水問題が影

 旧西条、東予、丹原、小松の4市町が合併し新西条市が誕生して8年。豊かな地下水の恵みを生かし、産業や農業を発展させてきた。各地の個性を生かしながら、融和を進め一つの流れとなって市勢を発展させるには、どのような取り組みが必要か。11日の市長選挙告示を前に課題を探った。(今西晋、杉本賢司)

 西条市は近年、県営西条地区工業用水道事業(西条工水)の赤字問題や、付随する県営黒瀬ダムからの松山分水構想に揺れてきた。
 2009年、県は市の反対を押し切る形で、西条工水の計画給水量を日量22万9千トンから約8万7千トンへ縮小する経営改善計画を打ち出した。10年9月には県と松山、西条、新居浜の3市が黒瀬ダムや加茂川の水資源の有効活用策などを話し合う「水問題に関する協議会」が発足。現在、西条市の地下水保全をテーマに議論している。
 協議会ではこれまで松山分水を議論していないが、分水実現を強く訴えてきた中村時広氏が松山市長から知事に転身した経緯もあり、将来の地下水量に不安を抱く西条市民の間では分水論議再燃への警戒感が根強い。
 県公営企業管理局によると、西条工水の契約給水量は日量6万5940トンで、計画給水量に対する余裕は2万トン余り。
 市はさらなる工水活用を望むが、給水対象地で市造成の工業用地はほぼ埋まっており、県営工業団地・東予インダストリアルパーク(同市北条)の未契約地約11ヘクタールや、工業専用地域に指定している民有地への企業立地促進など、県、民間と連携した取り組みが必要になっている。
 企業が立地すれば、地域は税収や雇用などのメリットも享受できる。市は、企業の呼び込みに欠かせない地域の魅力向上に努める。
 農業生産と加工業、流通業を連携させる「総合6次産業化」を掲げ、良質の水を必要とする食品加工企業などの誘致を図るほか、製品開発を大手企業に提案できる力を持つ中小企業の育成にも力を注いでいる。
 産業振興と並行し、市は地下水保全も進めている。地下水の持続的な維持に必要な水量を算定中で、具体的な数値を示しながら、市民に節水などの行動計画を提案する方針だ。
 市地下水利用対策協議会顧問の三木秋男さん(82)=同市禎瑞=は「突然水が止まって手遅れという事例もある。大切に守りながら地域発展に有効活用してほしい」と話す。
 西条市は「水を活用しながら守る」との方針でまちづくりを続けてきた。西条工水を生かした産業振興や地下水保全には県との連携が不可欠だが、松山分水という鋭いとげが刺さったままだ。次のリーダーも難しいかじ取りを迫られる。

   
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