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特集新居浜市長選2012年11月01日(木)

市が運営する小学校の放課後児童クラブ。児童は宿題をしたり友達と遊んだりして思い思いに過ごす

工都の次代(3) 福祉・教育 民営化 市民とズレも 保育園移管に根強い反対

 「地域で育ち、学び、働ける」の理念を打ち出し、福祉や教育施策に力を入れた新居浜市の佐々木龍市長。「民間でできることは民間で」と自立・連携のまちづくりを進めるが、行政との役割分担では限界や市民意識とのズレも浮かぶ。
 市は1972年度から、共働き家庭などの児童を放課後に預かる放課後児童クラブを順次開設。現在、全17小学校に設置し、1〜3年の983人が登録している。
 対象学年や利用時間の拡大を望む声に応え、2006年には社会福祉法人「三恵会」が「ともだちパーク」(同市多喜浜1丁目)を開所。市はサービス充実を民間に委ねた。
 利用料は市より千円高い月4千円だが、6年生まで利用でき、市より1時間遅い午後7時まで受け入れる。給食や近隣校への車のお迎えサービスなどが人気で、現在59人が登録している。担当者は「3年生まで市営を利用し、4年生からこちらに移る人が多い」とニーズを実感し、市との連携を強調する。
 ただ、年間運営費は1千万円超。市補助は約100万円で、収支は厳しい。池内貞二館長は「行政でできない部分をカバーする方針だが、各小学校が近接する川東地区だから運営できる」と他地区への開設には否定的だ。
 市営クラブを管理する市教育委員会社会教育課は「市営を補完してもらっている」と民営を歓迎しつつ「民間は採算が合わないと手を引く」とリスクも認める。
 一方で「民間でできる能力も経験も十分ある」(同市長)との考えで、06年に方針発表した公立4保育園の民間移管は、保護者の強い反対運動などで難航した。
 市は比較的定員数が多く運営が安定している八雲、南沢津、中萩、新居浜の各保育園を毎年1園ずつ移管し、経費削減を図る計画だった。特に中萩民営化案は、議会での継続審査、議案提出見送りなど紆余(うよ)曲折。4園目の新居浜保育園は、近年の定員割れを理由に11年、中止を判断した。
 子どもを公立保育所に預ける同市大生院の派遣社員の女性(42)は「民間は運営方針が変わったり撤退したりする心配がある。公立は同じサービスが続く安心感がある」と民営化の推進に不安をのぞかせる。
 佐々木市長は「民間保育所が多い現状から評価されると思っていたが、予想外。役所に対する信頼感ではあるが…」と複雑な表情。市児童福祉課は「保護者や市民の声に耳を傾けた上で、今後、統合する公立保育所の利用状況なども見極め、次期民営化方針案を検討する」としている。

   
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