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特集新居浜市長選2012年10月30日(火)

工都の次代(1) 現職自己採点 循環100円バス先送り デマンドタクシーも低迷

 「市民派市長」を掲げ3期12年間、新居浜市のかじ取りを務めてきた佐々木龍市長(57)が今期で引退する。区画整理の着手から14年をかけたJR駅前整備は、仕上げとする総合文化施設の大型工事を控えるが、長引く景気低迷で、ものづくりのまちの地盤沈下を懸念する声も広がる。11月4日の市長選告示を前に、住友企業との共存共栄で発展した工都での公共と民間の役割をあらためて考え、新市長が担う課題を探る。(秀野太俊、河野茜)

 任期満了が近づいた佐々木市長は、2008年市長選で公約した30項目について◎○△×の4段階で自己採点。「◎を3点、○を2点で計算すると90点中73点。あとの10点は総合評価で5点ほどプラス。全体で8割方達成できた」と振り返る。
 市の財政は、04年の台風災害の復旧費用がかさんだが、10カ年の財政計画で歳出抑制や見直しに努め、その後の財政力指数は右肩上がり。財政の自由度を表す経常収支比率は、11年度(78・6%)まで7年連続で県内1位をキープしている。
 「法人市民税は年間平均20億円、好況時で50億円を超える」(同市長)という住友各社が安定した税収をもたらしており「その分、他市より市況経済の影響が強い」という。
 恵まれた財政を基盤に佐々木市政は「市民参加」「安心安全を感じるまちづくり」「生活安全」などに取り組んできた。中でも生活者の視点を重視し、介護や障害者支援など福祉分野の施策を次々に実施した。
 しかし、公約で唯一「未実施」の×評価だったのが、重点項目でもあった「市内循環100円バスによる交通システム」だ。
 100円バスは高齢者など交通弱者対策として、市中心部から運行を始める計画だったが、バス路線のない郊外の交通弱者が取り残されるとして、議会が関連予算を認めなかった。市はバス空白地域をカバーする事前登録制のデマンド型タクシー運行を先に進める方針に転換した。
 事前の市民アンケートでは利用に前向きな声が多かったが、10年度に始まった試験運行の利用は、想定を下回る状態が続く。市はバス会社に配慮してバス停近隣住民の登録を制限しており、かえって利用者を減らしている側面がある。
 市議からは「PRを十分した上で、需要がないのならやめるべきでは」という厳しい意見もある。結論は試験運行が終了する来年になるが、佐々木市長は「交通政策は公共。バス路線に対する補助とトータルで考えた再編が必要」と行政の役割と責任を強調する。

   
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