• 東予

  • 中予

  • 南予

%はの降水確率

  • [PR]

[中]まちづくり 食や町並み活用模索 行政 市民と連携強化を 2013年04月04日(木)

伊予市中心部に残る古い町並み。町家が取り壊され、駐車場などになった場所も少なくない

 8年前の1市2町合併後、「ひと・まち・自然が出会う郷(くに)」をキャッチフレーズに掲げてきた伊予市。特産品や名物料理など市の食をPRする活動のほか、市中心部に江戸期から残る町家を生かしたまちづくりなどを模索している。ただ、住民の理解・関心は高まっていないといい、行政との連携には時間がかかりそうだ。
 市が2008年から進める「伊予国『あじの郷(くに)』づくり」は、旧市町が共通で取り組める食を中心に、市民の一体感を醸成する事業。市の特産品をモチーフにしたイメージキャラクター「あじの郷五勇士」や、市内外の公共・観光施設に置いている季刊の無料情報冊子「P@CKTTO!」で、市の食文化を広く発信している。
 市担当者は「あじの郷づくりを始めたころは、どう取り組めばよいか分からなかった」と率直に明かしつつ、昨年春ごろから季刊誌へのメールが県内外から届くようになったとし「一定の成果が出ている」とみる。
 同冊子でコーヒー豆専門店が紹介された西口輝彦さん(48)は、掲載を機に店を訪れた客もいると喜ぶ。ただ「(構想は)市民にはあまり浸透していないのでは」と指摘。市民レベルでも地域活性化に向けた動きはあるとし、行政と民間が連携して取り組む必要性を訴える。
 官民が足並みをそろえるべきことは他にもある。その一つが、同市湊町や灘町の古い町並みを活用したまちづくりだ。市は12年12月に市景観条例を制定、歴史や地域性を生かそうとしているが、市側は市民の関心は必ずしも高くないとみる。
 市や市教育委員会によると、伊予市の景観条例は他地域の同種条例に比べて制限が緩い。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている内子町の八日市・護国地区のように、改修などの際に地域の特徴を残すよう義務付けてはいない。そのため由緒ある町家が取り壊され、単なる和風の家に置き換わっていく可能性もある。
 伊予市では既に多くの町家が駐車場に変わり、地域のシンボル的存在だった旧四国泉邸も更地になった。町家に住む60代女性も「内子みたいにはもうなれない」と肩を落とす。
 市内には価値のある史跡が少なくないが、市民に重要性が十分浸透しているとは言い難い。4万点を超える歴史的資料を収蔵する専門施設も市内にはなく、図書館や個人の蔵などに散在している。地域の資源をどう活用し、まちづくりにつなげるか。住民と議論を深め、明確な将来像を確立する必要がある。(竹下世成)

  • 愛媛新聞モバイル
  • 新聞購読お申し込みボタン
  • 愛媛の経済サイトE4
  • オンラインサービスお申し込みボタン

一覧≫