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松野町長選

4500人の前途(下) 産業振興 農家の収益向上 急務 観光2施設も不振続く 2012年11月10日(土)

松野町の農産物を使ったチョコレート商品の試食会。低迷する農業の振興策が課題だ

 鬼ケ城山系の千メートル級の山々や四万十川支流の広見川に囲まれた松野町。全世帯の約4分の1が専業・兼業で農業に従事する。モモ、茶、ウメ、ユズは県内有数の産地だ。
 ユズは売り上げ好調で栽培面積が20年間で8ヘクタールから35ヘクタールへと4倍以上になった。しかし、そのほかの1次産品に関しては、高齢化や後継者不足などにより、栽培面積は大きく落ち込んでいる。モモは20年間で32%減の19ヘクタール、茶は47%減の16ヘクタールとなった。ウメは12年間で63%減の10ヘクタールと特に減少が著しい。
 町は梅干しや梅そうめんなど加工品開発に力を入れるが、加工製造を担う業者が町内になく、外注せざるを得ない。梅干し販売価格1キロ3600円に対し、生産者の出荷価格は1キロ約100円。町産業振興課は「実に36分の1。これからは町内で生産、加工、販売する一貫体制を構築したい」と力を込める。
 町が2011年度から手掛けるのが、ウメやユズなどを使ったチョコレート商品開発。最大約6億円の総事業費を投じ、加工施設整備を進める構想だ。
 商品販売も、まずチョコ製品本場の欧州に進出し「箔(はく)を付けながら」(産業振興課)東京など国内市場に展開するという逆輸入的な戦略を描く。10月下旬から約1週間、事業委託を受けた高知市のコンサルタント会社スタッフと町職員がパリを視察し、人的交流を進めている。
 ただ、9月議会では、高額予算やパリ視察をめぐり紛糾。国庫補助金や交付金の活用など財源措置の見通しも立っておらず、「農家の収益向上」に向け課題は山積している。
 観光産業も不振が続く。景気低迷や類似施設の増加などで、昨年度の森の国ホテルの客数は約2万人。約10年前に比べ6割強減った。虹の森公園おさかな館も同約4割減の約5万1千人となった。町は今春、両施設の指定管理者を変更し、経営改善に努めている。
 森の国ホテルがある滑床渓谷では、今春、渓谷で遊ぶリバースポーツ「キャニオニング」が誕生した。沢登りや木登り、トレッキングなどを担う団体も地元に複数ある。各体験をつなぐツアー商品開発などで客を呼び込もうと、町は年度内に旅行代理店誘致のための助成を予定する。
 高知県四万十圏域との連携にも力を注ぐ。本年度中に高知自動車道が四万十町まで延伸し、高知市内から松野町までの所要時間が約10分短くなる。町は延伸を見据え、町商工会などと連携して流域のサイクリングマップを作り、高知側へ魅力を発信する。
 少子高齢化や農業衰退が進む県内最小自治体。特産品や観光資源といった武器をどう生かすのか。成果を挙げる産業振興が急務だ。(高田未来)

   
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