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(下)町並み保存 観光客減 揺らぐ「顔」 住民主役の追求が課題 2013年01月18日(金)

江戸後期からの商家が並ぶ内子町の町並み保存地区。近年、訪れる人が減りつつある=1月12日、同町内子

 内子町の旧街道に、しっくい壁の古い商家が連なる。趣のある町並みは1982年、「製蝋(ろう)町」として国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定された。町の統計で、えひめ町並博があった2004年には約27万人が訪れたが、近年は09年約13万4千人、10年約11万6千人、11年約9万4千人と減少傾向。町の「顔」が揺らいでいる。
 「減った。肌で感じている」。保存地区の住民約90人でつくる八日市護国地区町並保存会の丸山昇会長(70)は困惑顔だ。東日本大震災や景気の影響とみるが、「魅力が薄れたのか」とも案じる。
 町全体の入り込み客数は宿泊施設の新規開業などで09年約105万人、10年約111万人、11年約103万人と横ばいで推移する。
 全国102カ所の重伝建のうち18番目と早い選定だった内子の不振について、岡崎直司・県近代化遺産主任調査員は伝建地区が陥りやすい現象だと指摘する。「伝建は線引きの内側(区域)で整備が進む半面、外側は蚊帳の外になりがち。まちづくりは住民の熱意と機運そのもの。住民が高齢化する中で新味をどう出していくかが問われる」と話す。
 長く保存活動に携わった元町職員の岡田文淑さん(72)は、食やまち歩き、遊びといった「文化」が観光資源とならない限り「将来はない」と断言。宣伝しなくてもメディアが目を向ける文化水準へのレベルアップこそ重要とし「そのための『住民主役』をどう追求するかが核心」とみる。
 現町政が力を入れる東京での内子ファンづくりに関しては「足元の現実を棚上げしたまま商売を仕掛けても順序が間違っており、経費も見合わない」と苦言を呈する。
 「松山市に泊まり、内子では町並みを見て1人1500円くらいの土産物を購入、約40分で去る」―。町によると、これが平均的な観光客像だという。
 町の八日町・護国保存センターの畑野亮一所長は、訪れる人が減った背景に保存地区での大型改修、高速道路南予延伸による通過点化、町並み探訪の西予・大洲への分散化を挙げ「大型バスの団体客は減ったが個人客は落ちていない。ゆっくり見てもらえる人を増やしたい」と話す。
 町では、重伝建選定30周年を記念したシンポジウムを3月初旬に開催する。「これまでの運動を総括し、今後を考えたい。住民に喜びのあるまちづくりを第一に、環境整備を保存地区以外に広げ、散策したくなるまちにしたい」と畑野所長。
 保存会も勉強会や研修を続けており、丸山会長は「土産物や飲食で、誇りと自信を持って地元の産物を提示できるよう地道に努力するしかない」と足元を見つめ直している。(秦俊太郎)

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