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(上)中山間地農業 担い手不足が深刻化 大規模な耕作放棄 懸念 2013年01月17日(木)

山あいに広がるブドウや葉タバコの園地=15日、内子町内子

 任期満了に伴う内子町長選挙が22日告示、27日投票の日程で実施される。人口約1万8千人と小規模自治体ながら、農業活性化や町並み保存の先進的な取り組みで知られる内子の現状と課題を見る。(秦俊太郎)

 葉タバコやカキ、ブドウなどの栽培が盛んな内子町。いち早く取り組んだ道の駅での直売やグリーンツーリズムで中山間地農業の活性化をリードしてきたが、農産物の価格低迷と高齢化で全国と同様、苦境にある。
 町の調べでは、2004年度に40億円を超えていた農林業生産額は11年度に約33億円に下落。奨励制度によって葉タバコ49・5ヘクタールの大量廃作があった12年度はさらに減る見通し。
 12年度も葉タバコを1・4ヘクタール栽培した宮岡竹男さん(55)=重松=は「次の作物を見いだせないから続けただけ」と語る。面積を半減し、跡作にカボチャを始めたが「あと10年どう食べていくか。国は大型機械を入れて規模拡大せよと言うが、中山間では難しい。1、2ヘクタールでどう生きるかが問題」と訴える。
 中山間地農業は土砂の流出防止など国土保全に重要な役割を果たす。山あいの棚田や畑は放棄が進み、葉タバコ廃作でも大規模な耕作放棄が生じかねない。町は県の緊急対策事業に加え、単独でキュウリやキウイの施設整備補助(補助率3割)を実施したが、12年9月末現在、跡地の耕作を確認できたのは54・9%にとどまる。
 町認定農業者協議会長の大程久寿男さん(61)=大瀬北=は農業の最大課題に後継者問題を挙げ「70代の農家が多く、このままでは荒廃地がもっと増える」と懸念。「若者の勤め口が地元にあれば、親世代を手伝う週末農業を経て、ゆくゆく継ぐ形が取れる」と、地元雇用が農業維持にも不可欠と考える。
 1996年に道の駅としてオープンした町第三セクターの直売所「内子フレッシュパークからり」も曲がり角に来ている。町内産物に特化し、トレーサビリティー(生産履歴)で安全安心を追求してきたが、直売所の販売額は06年の約4億6300万円がピーク。11年度は約4億800万円に落ちた。からりによると、他市の大型直売所開設など環境変化が影響している。
 直売所出荷者運営協議会長の力石照子さん(57)=宿間=は農家の年齢や規模に差があり、足並みをそろえるのが難しいと感じる。「高齢者の小遣い稼ぎだけでなく、生活を成り立たせる出荷者が増える方向に向かわねば。難しいが理想は捨てたくない」と話す。
 町は今年、タブレット端末を用いる受注システム稼働などでてこ入れする予定だが、深刻化する担い手不足には「中核農業者からも出荷してもらえるようJAと連携して模索したい」とし、妙案はないのが実情だ。

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