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特集愛南町長選2012年10月11日(木)

2009年に閉鎖された縫製加工工場の跡地。現在は門のみが残る=9日、愛南町増田

検証 南端のまち(上)雇用・経済 就職先減り若者流出 高速 8の字整備に活路

 2004年10月、南宇和郡の旧御荘、城辺、一本松、西海4町と内海村が合併し、愛南町が発足してから8年。今、厳しい雇用情勢と1次産業の不振で人口減と高齢化に拍車が掛かる。歳入の8割以上を地方交付税など外部に依存する財政事情の中、南海トラフ地震へ備えつつ、安心と活力あるまちづくりにどう取り組むのか。16日告示、21日投票の町長選を前に現状を探った。(白川英樹)

 「町内企業の求人は1社。甲板員と機関員の計6人だけ」。南宇和高校(同町御荘平城)の尾崎信久進路課長(48)は嘆息した。
 来春卒業予定の232人中、就職希望は47人。例年数人の求人があった町内のスーパーは昨年末、民事再生法の適用を申請した。内定していた2人は町内の別会社に就職できたが、雇用の冷え込みを思い知らされた。
 町では05年、最盛期に600人超の従業員がいた旧松下寿電子工業一本松事業所が撤退。09年にも自動車部品製造と縫製加工の工場が閉鎖した。09年7月時点で民間事業所は合併時比約9%減、従業員は約14%減った。
 地元就職希望の生徒は少なくないが、町内にとどまれるのはアルバイトも含め年10人程度。せめて就職に有利にと電卓やワープロの資格を取らせるが、肝心の事務職求人は県外1人分しかない。
 旧西海町役場があった船越地区は住民約450人中38%が65歳以上で、10年後の高齢化率は約60%の見通しだ。橋岡済隆区長(66)はこぼす。「子どもが生まれるのは年1、2人。何せ若者がいない」。町人口は10月1日時点で2万4565人。合併時から15%減った。高齢化率は33・9%。11年10月の全国平均23・3%、県平均26・9%を上回る。
 1次産業はどうか。10年の漁業経営体数は511。04年から4割近く減った。魚価の影響を受ける水揚げ高は160億3100万円。5・8%減だが、うち漁船漁業は漁獲量縮小の影響もあり63・9%減の19億3700万円に落ち込んだ。
 農業は希少性の高い河内晩かん生産を中心に08年以降21人が新規就農。経営面積も徐々に広がる一方で農産物の価格低迷は続く。
 明るい兆しもある。今春、宇和島まで延びた高速道路は10年後をめどに同町柏まで延伸。今月4日の衆院国土交通委員会との意見交換会では行政や観光、漁協、住民グループの各代表が異口同音に「8の字ルート早期整備」を訴えた。
 道の駅みしょうMIC(同町御荘平城)は高速道延伸で観光客が前年比1・5倍に増えた。ただ、永元義秋駅長(49)は気を引き締める。「1割でもリピートしてもらわないと(延伸の)意味がない。8の字整備で通過点にならないために、四万十川、足摺岬に負けない拠点づくりに取り組むしかない」

   
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