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[下]冷え込む経済 港再開発を起爆剤に 商店街への波及も期待 2013年04月12日(金)

8日にプレオープンした道の駅「みなっと」の産直市。地域経済復活の拠点として、市民の高い関心を集める

 「いらっしゃいませ」―。真新しい建物に、緊張気味の店員の声が響いた。八幡浜港(八幡浜市沖新田)の埋め立て地に8日、道の駅「八幡浜みなっと」が一部プレオープンした。果物や魚の干物などを販売する産直市や、八幡浜チャンポンなどを提供するレストランが入る施設には多くの家族連れらが詰め掛けた。
 7日には「みなっと」の隣接地に高度衛生管理による魚価向上を狙う新市営魚市場も始動。地域経済のてこ入れとして、市が10年以上かけて進めてきた港再開発は、大きな一歩を踏み出した。
 八幡浜は四国有数の水揚げを誇り、かんきつ栽培とともに1次産業で栄えた。だが、近年は漁獲量減少やかんきつ価格低迷などで苦境にあえいできた。
 プレオープン当日、ほど近い市内中心部の新町商店街で、月に1度の「八日市」が開かれていた。並んだ出店に多くの買い物客が集う。ただ、店主の一人は漏らす。「普段はみんな大洲や松山へ買い物に行ってしまう。盛り上がるのは八日市くらい」
 八幡浜商工会議所などによると、2010年度の同商店街の日中平均歩行者数は464人で、20年前の3割ほど。シャッターが閉まったままの店も多く、最盛期に122店を数えた同商店街振興組合への加盟も46店に落ち込んだ。背景にあるのは人口流出。店の後継者も例外ではない。
 今年3月、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が公表した人口推計によると、40年の同市の人口推計は2万2438人で、10年と比べ約1万6千人も減る。減少率は県内11市で最高の4割を超える。
 市総務企画部の中栄忠敏部長は「平地が少なく周辺自治体に比べて地価が高い。若者の働き先がない」と原因を分析。市はこれまで閉校した学校跡地への工場誘致、ナマコやアワビの陸上養殖施設整備などの雇用確保や産業創出を進めたが、中栄部長は「実を結んでいない」と苦悩を吐露する。
 それだけに「みなっと」をはじめ港再開発へ懸ける思いは強い。市担当者は「産直市への持ち込みで市内生産物の消費拡大が見込める。市内外からの利用者が商店街に立ち寄るなど波及効果も期待している」と語る。一方で「これが最後の一手。集客できなければ、どうなってしまうか」と悲愴(ひそう)感を漂わせる関係者もいる。
 市内外から人を呼び込み、街を活性化する役割が求められる「みなっと」。市民の高い関心を集める中、12日に本格オープンする。
 港町のにぎわいを取り戻し、安全、安心のまちづくりをどう進めていくか。市政のかじ取り役には重い課題が突き付けられている。(藤中潤、小田良輔)

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