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[上]災害への備え 津波 高齢者守れるか 被ばく防止 具体策まだ 2013年04月10日(水)

東日本大震災後、電柱に取り付けられた海抜表示。津波や原発事故など防災対策の見直しが急務となっている

 2005年に旧八幡浜、保内の1市1町合併で誕生した現在の八幡浜市。「ミカンと魚のまち」を掲げるが、第1次産業を取り巻く環境は厳しく、人口流出などの逆風が続く。14日告示、21日投票の市長選挙を前に、防災や医療、地域経済活性化など市政の課題を探った。(小田良輔、加藤太啓)

 「津波が来たら即座に高台に逃げなければならないが、お年寄りには周りの助けが必要。市中心部は古い民家が密集し、地震で倒壊して避難路をふさぐ可能性もある」
 八幡浜港近くの白浜地区自主防災会長の蔵田和彦さん(75)は、災害への備えを考え始めると心配が尽きない。2011年3月の東日本大震災を境に、防災対策は市の最重要課題に浮上した。
 特に津波対策の抜本見直しは焦眉の急だ。現在の市地域防災計画(07年改訂)で、八幡浜港の津波高の想定は4・7メートル。半径2キロ以内に市役所や市立病院、消防本部などがある。内閣府は12年3月に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定で、8・8メートルと2倍以上に引き上げた。
 市は避難意識高揚のため海抜表示を震災前の8倍、322カ所に設置し、市街地の緊急避難場所となる津波避難ビルの指定を震災後11カ所増の19カ所にするなど、津波対策の強化を図ってきた。
 ただ課題は多く、高齢者の避難誘導はその一つ。市内の65歳以上は1万2578人(10年国勢調査)で、市人口の3分の1。市危機管理・原子力対策室は「逃げやすい避難ビルを増やすなど対策を検討しているが、今後の課題だ」とする。
 揺れへの備えも万全とはいえない。市内には往事の港町の繁栄をしのばせる古い家屋が立ち並ぶ。風情ある景観とは裏腹に、耐震化は進んでいない。11年7月に創設した木造住宅の耐震工事補助金制度は「相談は受けているが、まだ利用はない」(市建設課)状態。
 原子力防災という重い課題も。東京電力福島第1原発事故を踏まえ、市は地域防災計画原子力災害編を今年3月に修正。四国電力伊方原発(伊方町)から10キロ圏内だった重点防災区域は30キロ圏内に拡大され、全市民約3万8千人が対象になった。しかし、市外への広域避難や被ばく防止などの具体策は国の方針が定まらず、先送りを余儀なくされている。
 「(地震や原発事故が同時に起こる)複合災害で道が遮断されたら、市民全員が早く逃げるのは不可能に近いのではないか」と蔵田さん。生活の安心確保はまちづくりの土台。着実で迅速な防災対策が求められている。

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