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[中]経済 企業の転出どう防ぐ 環境整備 市の役割は大 2013年04月18日(木)

紙関連企業が集中する四国中央市。紙のまちの将来は経済・産業政策にかかっている

 中小・零細の紙関連企業が300社以上軒を連ね、「日本一の紙のまち」として知られる四国中央市。製紙や紙加工業者は大半が地場資本で、ハローワーク四国中央は「就労環境は比較的安定し、悪ぶれ、下ぶれしにくい傾向にある」と解説する。
 2010年の国勢調査では、市の第2次産業就労者は1万6447人で全体の就労者数の4割近くを占め、県全体(約24%)を大きく上回る。県が公表した1人あたりの年間平均所得(09年度)は293万8千円で、県内20市町で最高だった。
 ただ、市内の景気が必ずしも良好とは言い切れない。最近の円安傾向は原材料などを輸入に頼る紙産業にとってコスト増に直結。ある経営者は「景気が良くなり、大手企業を中心に製品の価格修正(値上げ)のムードが高まればいいのだが」と本音を明かす。
 ハローワーク四国中央管内の有効求人倍率(2月)は1・04倍で、県内平均(0・96倍)を上回ったものの、小売店やスーパーなど流通関係の新規出店が主な要因だった。紙関連製造業の新規求人はリーマン・ショック以降、約2割減少し、「厳しさが残り、改善しているとは見て取れない」(同ハローワーク)。
 地元企業の発展は雇用や税収の面で大きな波及効果をもたらすが、同市では力をつけた企業が市外へ新工場を求め、転出していくケースがある。
 市によると、市内で創業した企業が、市外の広い土地に新工場を建てるなどの事例が過去20年間で約20件あった。市外進出の理由は土地の価格や立地条件などさまざまだが、市ゆかりの企業が地元を離れたこともあり「市民にとって大きなジレンマ」との声も。
 市が産業・経済振興に果たす役割は大きい。「どちらかといえば大企業中心の行政。中小一軒一軒には対応していない」(卸・小売業の経営者)と不満も漏れる中、市は4月、市産業支援課内に「企業立地推進室」を設置。市内で企業が設備投資しやすい環境の整備などに乗り出した。
 同課は「市内企業への決意表明の一つ」として、工業団地の開発にも前向き。「紙産業が市内で発展し続けてほしい」という市民の切実な願いに新市長はどう応えていくか。(清家香奈恵)

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