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特集東温市長選・市議選2012年10月19日(金)

今年1月、東北地方以外で初めて開かれた全国どぶろく研究大会。県内外から大勢が訪れた=東温市見奈良

衛星都市の未来像(下)産業振興 農業・芸術・医療に力 独自魅力「不足」の声も

 「東北以外で初めて開催できた意義は大きい」。今年1月、全国の77銘柄が東温市で出来栄えを競った第7回「全国どぶろく研究大会」。大会誘致に成功した関係者は口をそろえる。市は「即完売するなど経済効果も大きく、東温の知名度も上がった」と手応えを感じ、他分野でも全国規模のイベント開催に意欲を燃やす。
 どぶろく大会誘致などの産業振興は、2005年に新設した産業創出課が担った。農業再生と生産力向上を目指した農作物のブランド開発の一環で、08年に国と県のどぶろく特区認定にこぎ着けた。現在は市内の三つの蔵元で製造する。
 昨年は果実酒特区にも認定された。ブルーベリーやイチゴ「紅ほっぺ」など地元農家が育てる農産物の加工を念頭に置き、地域ブランド化を図る考えだ。
 市は、06年に県内初の常設型劇場としてオープンし、今年9月に地方劇場として初のロシア公演を行った「坊っちゃん劇場」(見奈良)も支援する。7月には、日本初の産科女医・楠本イネを主人公にした「幕末ガール〜ドクトル★おイネ物語」の公開に合わせ、イネゆかりの西予市と出身地の長崎市でPR。山川龍巳支配人は「芸術振興と地域貢献の相乗効果を目指す」と力を入れる。
 06年発足の新エネ推進室が準備を進めてきた「地球温暖化対策プロジェクト」も昨年、本格的に始動した。
 太陽光発電推進など、これまでの取り組みを生かして二酸化炭素(CO2)排出削減量を取引する環境ビジネスで、県内外の自治体や企業も注目している。市は民間のメガソーラー事業と連携し「環境教育を浸透させたい」と意気込む。
 東温市には愛媛大医学部付属病院(志津川)や国立病院機構愛媛病院(横河原)のほか、個人診療所も多く立地。恵まれた医療環境を背景に、市は「医療と福祉のまち」をアピールしている。
 民間経済雑誌の調査では、人口1万人当たりの医師数が全国トップを維持してきた。本年度は136・5人で全国810自治体中6位となったものの、10年度には新たに三つの介護施設が誕生。「医療と福祉のまち」の看板は揺るがない。
 ただ、市内部からも「いまひとつ軸となる魅力に欠ける」「活性化の起爆剤や市としての統一イメージがない」との声も聞こえる。
 「松山の衛星都市」「ベッドタウン」を脱却し、独自の魅力に富んだ地域として発展を遂げられるかどうか。医療や芸術など持てる資源をいかに有機的に結びつけ「東温らしさ」に彩られた未来像を打ち出せるかにかかってこよう。(中藤玲)

   
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