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特集東温市長選・市議選2012年10月17日(水)

多様な企業の立地が進む「東温エコの森工業団地」の一画=東温市下林

衛星都市の未来像(上)台所事情 財源確保へ企業誘致 支出引き締め策は限界

 2004年9月に旧重信、川内両町の合併で誕生した東温市。約3万5千人の人口と予算規模は県内市で最少だが、隣接する県都松山市の衛星都市として発展を遂げてきた。近年は広い平野部や高速道インターチェンジ(IC)がある地の利を生かし、企業誘致に注力。「東温らしさ」を打ち出す。21日告示、28日投票の市長・市議選を前に、市政の現状と課題を探る。(中藤玲)

 2町合併以降、市が施策の柱に位置付けてきた企業誘致。流通業や製造業など11社の工場や事業所の誘致に成功した。大半が県内他市町からの移転だ。松山自動車道川内ICの存在や安い用地に加え、東日本大震災後は津波の恐れがないことなどから、川内地区への立地が増えた。
 市に自前の工業団地はないが、08年に民間が開発した約4ヘクタールの「東温エコの森工業団地」(下林)は大半が分譲・予約済み。09年には企業立地促進条例を制定し、固定資産税の減免割合や期間を大幅に拡充した。誘致後、倒産や撤退した際にリスクを伴う「奨励金」支給ではなく、税減免に重点を置いており「(減免が終わる)5年後には税収効果が出る」(企画財政課)と期待する。
 自前の財源確保に努める背景には、多くの自治体と同様、地方交付税減少への懸念がある。市の11年度地方交付税収入は約41億円だが、普通交付税が本来より上乗せされる合併特例法の財政優遇措置が終われば、6億円減る見通しだ。
 支出カットへ、退職者の補充を半分に抑えて一般行政職をスリム化し、職員数は合併後の364人から347人に。給与水準も全国128の同規模自治体で14番目に低い。こうした引き締めが奏功し、前回市長選時の07年度と11年度の決算を比べると、一般会計の財政調整基金残高は10億3千万円増え、市債残高は10億円減少した。ただ同課は「基金積み増しや起債抑制には限界があり、行き詰まりが見えている」と不安を吐露する。
 歳入のもう一つの大きな柱の市税収入は、同じ期間で計1億2千万円落ち込んだ。1982年度ごろ始まった市内の地籍調査事業が16年度に終了し、人件費抑制になる。市は固定資産税の増加に期待し「土地区画整理や企業誘致に本腰を入れたい」と意気込む。
 市は企業誘致による雇用創出効果を約600人と試算するが、地元からの正社員採用は少ない。このため11年度、地元経済団体などと地域雇用創造協議会を設立、3年間で101人の雇用創出を目標に掲げた。企業進出を雇用や地域発展にどうつなげるか。市の経営能力が問われている。

   
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