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(上)財政状況 合理化で高い健全度 公共施設改修 負担増も 2013年01月15日(火)

 合併をめぐるリコール運動に端を発した2002年11月の旧砥部町の出直し町長選挙と03年1月の町議選挙から10年になる。出直し選から通算3期町長を務めてきた中村剛志氏が引退を表明。新たなリーダーを選ぶ22日告示、27日投票の町長・町議選を前に、陶芸の里の現状と課題を追う。

 「県内でトップレベルの良好な状況」。12年に町が作成した財政に関する資料での自己評価だ。財政の健全度を示す指標の一つ「実質公債費率」は旧広田村と合併した直後の05年度に14・2%だったが、11年度は県内9町で最高の7・3%に改善した。投資抑制や団体補助金削減、入札制度改革といった合理化の産物だが、町企画財政課は「安心できる状況ではない」とくぎを刺す。
 町では34年度まで総事業費236億円(国庫補助102億円)の公共下水道事業が続く。「整備が進めば(財政難に悩む)普通の自治体になる」と同課。少子高齢化による税収減に加え、16年度から合併後の地方交付税優遇措置が縮小する。
 12年2月、町は中長期の財政見通しをまとめ、「上限」「順当」という二つの異なる方針に沿ったシナリオを用意した。町の公共82施設について用途や損益、老朽化、利用者数などを基準に優先順位を定め、「上限」は耐用年数ごとに全て改修、更新する。「順当」は、優先度が低い6割弱の施設の更新見送りや廃止で支出を減らす。シミュレーションの結果、約10年後の財政状況に大きな差が生じた。
 一般会計予算規模は60億〜65億円。新規大型投資をしない前提だが、「上限」では22年度に貯蓄に当たる基金(11年度末約33億円)を使い果たし、約6億5千万円の赤字に転落。借金に当たる地方債残高は11年度の84億円から142億円に膨らむ。「順当」は、25年度でも赤字には陥らず、地方債残高も91億円強にとどまる。ただ、試算の想定以上に少子高齢化が進んでおり、より厳しい状況も考えられるという。
 行政にとっては「順当」だが、住民は公共施設や学校の統廃合というしわ寄せを受ける。シミュレーションでは広田地区など過疎化が進む周縁部のほか、文化や観光、スポーツ施設の優先度が低い傾向が出ている。現実のシナリオは、新しく選ばれる町長や議会が住民と対話を重ね、選択すべき問題だ。
 二元代表制の一翼を担う町議会は12年に2地区で報告会を開くなど、行政への民意反映に努めてきた。しかし中村町政に批判的立場を取ってきた元町議の一人は「理事者との関係が近過ぎ、緊張感に乏しい」と手厳しい。
 地域代表の意識や陳情という旧来型の政治手法を脱し、理事者と是々非々で議論する実力を―。かつて籍を置いた議会へのメッセージだが、選ぶ側にも意識改革を迫っている。(森田康裕)

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