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(5)観光振興 自転車ブーム追い風 しま博 明確な戦略必要 2013年01月25日(金)

今治観光振興の起爆剤として期待されるサイクリングとバリィさん、焼豚玉子飯(コラージュ)

 瀬戸内しまなみ海道の開通ブーム終了後、観光客が伸び悩んでいる今治市。だが、今治地域のゆるキャラ・バリィさんや焼豚玉子飯などで全国的な脚光を浴び、2014年には愛媛・広島両県による広域観光イベント「瀬戸内しま博覧会(仮称)」が控えるなど追い風が吹いている。地域経済が低迷する中、観光をてこにした活性化へ期待は大きい。
 市観光課によると、市の入り込み観光客数は10年が約248万人、11年は約242万人。ここ10年横ばいだが、ロケーションが良いしまなみ海道を訪れるサイクリストは増えている。12年の市貸自転車利用台数は4万229台で、前年比11・8%増。愛車で沿線を巡る人も多い。自転車人気を受け、市は地元のNPO法人などと協力し、サイクリングツアーやガイドマップ作りを実施。「サイクリストの聖地」としてPRし、観光客増を図っている。
 一方、宿泊客は「大山祇神社や今治城など市内の名所を回った後、道後温泉に宿泊するパターンが定着している」(同課)ため、10年が約36万2700人、11年が約35万6千人にとどまる。
 今治地方観光旅館ホテル同業組合の矢野晴詩理事長(66)は「海道開通まではビジネス客がほとんどだったため、観光面の対応が遅れている」と明かす。市中心部に集客の核となる施設がないとも指摘し、自転車博物館や屋台村、大型駐車場などの整備を望む。
 近年人気が高まっている産業観光の促進も課題だ。市内はタオルや造船業の一大集積地で、「宮殿工場」や製塩工場などユニークな施設もある。タオル美術館ICHIHIRO(同市)の十倉秀樹チーフマネジャー(51)は「豊富な観光資源が十分に活用されていない。バリィさんや焼豚玉子飯を支持する層にアピールし、新たなニーズを掘り起こすべきだ」と提言する。
 「しま博」では、しまなみ海道で国際的なサイクリング大会が開かれる予定。09年の海道開通10周年イベントでは、半年間の期間中、沿線観光施設の入り込み客が前年同期比で16・8%も増えた。
 「しま博」も多くの人出が見込まれるが、市観光課は「県の計画が発表されないと対応は難しい」とし、現時点では待ちの姿勢だ。一過性に終わった海道ブームの反省に立ち、持続的な観光振興につなげるには、市の明確な戦略が不可欠となる。(白川亜子、渡部竜太郎、江頭謙、野田貴之)
=おわり