• 東予

  • 中予

  • 南予

%はの降水確率

  • [PR]

(1)選択と集中 「喫緊の課題」を優先 財政構造 弾力性乏しく 2013年01月21日(月)

老朽化に伴い、市が建て替えを計画している今治港の港湾ビル=18日、今治市片原町1丁目

 12市町村の大規模合併から9年目を迎えた県内第2の都市、今治。ゆるキャラやご当地グルメなどが全国的に注目を浴びる一方、新都市開発や中心市街地活性化など長年の課題が積み残されている。27日告示の市長選挙、市議会議員選挙を前に、17万都市の現状と展望を探った。(白川亜子、野田貴之、渡部竜太郎、江頭謙)

 「厳しい財政環境の下、選択と集中を推し進める」。地方交付税の優遇措置などがある合併特例期間が7年後に終了するのを見据え、菅良二市長は2012年度の施政方針でこう表明した。当初予算には小学校耐震化など防災対策事業を多く盛り込み、「喫緊の課題」を優先する姿勢を打ち出した。
 当面、防災事業に加え、14年度完成予定の新港湾ビルや18年稼働を目指す新ごみ処理施設建設など、数十億円規模の大型投資が控え、大きな財政負担が発生する見通し。
 投資の一方、ごみ減量を目的として市指定ごみ袋を値上げし、市民団体への補助制度見直しや市の第三セクターの経営改革など支出削減にもかかっている。
 「選択と集中」を進める背景には、税収が豊富でなく交付税への依存度が高い上、人件費など固定経費が大きい財政事情がある。
 1に近いほど余裕がある財政力指数は11年度末で0・585。県内11市中、上から5番目。財政構造の弾力性を示す経常収支比率は90・8%で最下位だ。
 市は05年の合併以降、行財政の効率化を推進。職員数は12年4月時点で合併時から2割近く減らし、給与改定と合わせ人件費を総額約55億円削減した。建設事業費抑制などで地方債残高減にも取り組んできた。しかし、人口減少や景気低迷などで税収が伸びず、社会保障関係経費の伸びもあって効率化の成果が打ち消されている。
 歳入の好転が当面見込めない中、歳出面でも合併の影響が影を落とす。ネックの一つが公共施設の多さ。現在、市内に800以上あり、類似施設も多い。維持管理経費がかさむが、統廃合は進んでいない。財政課は「市域が海で隔てられており、施設集約が難しい」と説明する。
 市が財源として頼みにするのが合併特例債だ。12年6月、合併から10年だった発行期限を5年延長できる法案が可決された。特例債発行で借りた資金の償還は国が大半を負担するため、「同じ借金でも有利な起債」(同課)。市は14年度中に市議会の了承を得て延長する方針だ。
 有利とはいえ、借金は借金。将来世代に禍根を残さないためにも、身の丈に合った財政運営で防災対策など不可欠な事業を進めていく必要がある。