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社説

政府の経済対策 必要性精査し事業の絞り込みを

2019年11月19日(火)(愛媛新聞)

 安倍晋三首相は、関係閣僚に経済対策の策定を指示した。自然災害が相次いでいるのを踏まえ、インフラ整備や被災地の復旧・復興に対応する。米中貿易摩擦など海外経済の下振れリスクが高まっており、景気の下支えも図る。

 10月の消費税増税後に追加の対策を取ることは既定路線だった。ただ、2閣僚の辞任など逆風が吹く中、政府・与党内では「政権浮揚策」として早くも予算規模拡大を狙う声が上がる。しかし、財政健全化に向けて、これ以上の無駄な予算膨張は許されない。事業の必要性や効果を精査した上で、対策を絞り込まなければならない。

 経済対策は政府が景気を刺激するために講じる経済財政政策で、バブル崩壊後やリーマン・ショック後の経済立て直しなどを図るため歴代政権が手掛けてきた。今回の策定は2016年8月以来、約3年ぶり。年末にかけて19年度補正予算案と20年度当初予算案の二段構えで編成し、それぞれに対策費を盛り込む。規模は国費の総額で数兆円になる見通しだ。

 一連の豪雨や暴風による被災者の生活と事業再建には最優先で取り組みたい。政府は、20年度までの3年間で実施中の「国土強靱(きょうじん)化」に向けた重要インフラ緊急対策で、事業費を上積みする方向で検討している。甚大な被害をもたらした台風19号を受け、水害対策に全力を尽くすべきだ。だが、不要不急の事業が盛り込まれないよう注視する必要がある。

 政府は経済対策の柱として、災害復興に加えて、景気下支えと東京五輪後を見据えた経済活力の維持を掲げている。景気の先行きは予断を許さない。7~9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は4四半期連続のプラス成長ながら、前期比年率0.2%増と低い伸びにとどまった。10~12月期は駆け込み需要の反動減もあり、マイナス成長となる可能性が高い。

 とりわけ個人消費の低調ぶりが目立つ。駆け込み需要は規模が小さく、消費の勢いが鈍いのは明らかだ。海外発のリスクもあり、景気への目配りは欠かせないが、既に増税対策には多大な予算を充てており、大盤振る舞いはできない。費用対効果を見極めて、施策を吟味することが不可欠だ。

 この状況で、与党内で歳出拡大を求める声が広がっている状況を危惧する。ポスト安倍をにらみ党幹部が存在感を示そうと競うように予算拡充に言及している。衆院解散戦略も絡み、有権者へのアピールを狙う思惑も透ける。党利党略で経済対策を進めてはならない。

 前回16年の経済対策では、最終的に事業費ベースで28兆1千億円もの対策が打ち出された。雪だるま式に施策が膨らむ事態だけは避けなければならない。安倍政権には、財政再建を目指す長期的な視点で、景気を下支えするバランスの取れた政策実行を求めたい。

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