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社説

JOC会長退任表明 危機感欠如 組織の立て直し急務

2019年3月21日(木)(愛媛新聞)

 日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が任期満了となる6月に退任すると表明した。国際オリンピック委員会(IOC)委員を辞任する意向も明らかにしている。2020年東京五輪招致疑惑でフランス司法当局の捜査対象となったことを受け国内外で批判が高まっており、当然の決断だ。

 東京五輪の開幕まで500日を切った状況で、五輪を開催する国内オリンピック委員会のトップが退く異例の事態である。だが、疑惑を受けて国際会議を相次いで欠席し、活動に支障が出ている以上、職にとどまることは許されない。東京五輪開催への悪影響を最小限に抑えるため早急に新体制に移行しなければならない。

 竹田氏を退任に追い込んだ疑惑は16年に明るみに出た。東京の招致委員会がシンガポールのコンサルタント会社に支払った2億円超の一部がIOC委員側に渡り、票の買収に使われた疑いがある。今年に入り、フランス当局が正式捜査を開始したことが表面化し、再燃した。

 疑惑に対して竹田氏は潔白を主張する。しかし、1月の会見では書面を読み上げるだけで説明を尽くさず、疑念は残ったままだ。JOCの外部調査チームが違法性はないとした結論を根拠とするが、この調査は肝心なコンサルタントらに聴取していない。2億円という高額な報酬の使途も解明できず、結論には説得力がない。

 IOCは、JOCトップが起訴され五輪のブランドに大きな傷がつくことを恐れ、早期の辞任を求めた。それに対し、竹田氏は任期途中の辞任は贈賄を認めたと受け止められかねないと考えて任期満了にこだわり、主張を通した格好だ。ただ、求心力を失い、十分な活動もできない会長が今後3カ月居続けることで、退任時期を巡るさらなる混乱が起きる事態を危惧する。

 今回のJOCの対応は、ガバナンス(組織統治)が機能していないと言わざるを得ない。疑惑が浮上しているにもかかわらず、竹田氏の続投を念頭に「選任時70歳未満」とする役員の定年規定で一部除外を明文化しようとした。ルールに基づき組織を運営しようとせず、組織を正当化するためルールを変えるのは本末転倒だ。多くの競技団体で組織の新陳代謝が図られず、不祥事が続発したことを重く受け止める必要がある。

 退任表明があった理事会では役員から竹田氏に対する支持や慰留の声が多く出た。続投しても「世の中から非難を浴びることはないと思う」と発言した役員もいる。危機感が全くうかがえない。01年に会長に就任し、現在10期目の竹田氏による「長期政権」の弊害は顕著だ。

 問題は竹田氏が退任しても解決するわけではなく、疑惑の責任を竹田氏だけに押し付けることもできない。JOCは組織の立て直しを急ぐとともに今からでも再調査に着手し、自ら全容を明らかにするべきだ。

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