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社説

伊方重大トラブル続発 異常事態の背景 徹底究明せねば

2020年1月29日(水)(愛媛新聞)

 3号機が定期検査中の四国電力伊方原発で、今年に入り重大なトラブルが続発している。12日には核分裂反応を抑える制御棒を誤って引き抜き、20日には核燃料がプールのラックに乗り上げた。25日には発電所内が電源の一時喪失に陥った。安全に影響を及ぼす重要設備でのトラブルがこれほど続く例は過去になく、異常事態といえる。

 四電は定検を停止し、運転差し止めを命じた今月の広島高裁の仮処分決定への異議申し立てを当面見送る方針を示した。3号機の運転再開の時期はさらに不透明となったが、何よりも安全が最優先であることは言うまでもない。四電は機器の問題だけでなく、人為的、組織的問題など、あらゆる角度から原因を徹底究明しなければならない。

 一連のトラブルは、外部への放射性物質の漏えいはなく、深刻な事態には至らなかったものの、決して軽視はできない。

 制御棒のトラブルでは、原子炉容器内に核燃料とともに配置された制御棒48体のうち1体が約7時間、引き抜かれた状態となった。制御棒は、原発で異常が発生した場合に原子炉を「止める」重要な機器の一つ。運転時にも出力を調整する役割があり、故障やミスは許されない。

 電源を一時喪失したトラブルは、外部から電源を供給する送電関連設備の交換時に起きた。廃炉の1、2号機は2、3秒後に別の外部電源から受電し、3号機は約10秒後に非常用ディーゼル発電機が自動起動した。短時間とはいえ、東京電力福島第1原発事故を想起させる事態を招いた事実は重い。

 四電の長井啓介社長は県と伊方町を訪れ、一連のトラブルを陳謝した。今後、原子力本部長が現地に常駐し、原因調査などの陣頭指揮を執るという。長井社長は「背景などに目を向けて検討したい」と述べた。定検などで多くの関連会社や協力会社が従事する中、作業手順や労働環境などに問題がなかったか、総合的に調査する必要がある。

 第三者によるチェックも欠かせない。県はトラブルについて原発の専門家らで構成する県伊方原発環境安全管理委員会で審議する考えを示している。中村時広知事は、原因究明や対処なしに、定検作業再開など「次のステップは到底容認できない」と話した。国の原子力規制委員会も問題視しており、厳しい姿勢で臨んでもらいたい。

 伊方町の高門清彦町長も注意文書を手渡すなど、立地自治体や周辺の市町からも不安や不信の声が上がっている。原発の運転は、住民との信頼関係がなければ成り立たない。四電は情報公開を徹底し、丁寧な説明を尽くさなければならない。

 広島高裁への異議申し立てについて四電は、決定に問題があるとの立場を変えず「安全対策の取り組み状況も踏まえ総合的に判断する」としている。しかし、安全に対する姿勢に注がれる目が一層厳しくなっていることを認識しておくべきだろう。

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