ログイン
Myページ
Myページ

愛媛新聞ONLINE

2018
717日()

ログイン
Myページ
愛顔会員Myページ
MENU

社説

災害ごみ 復旧の妨げ 迅速に収集・処理を

2018年7月17日(火)(愛媛新聞)

 愛媛など西日本を襲った記録的豪雨の被災地では、ボランティアの協力を得て、浸水した建物などの片付けが本格化している。こうした中、住民や自治体を悩ませ、復旧の妨げとなっているのが店舗や家屋から発生した大量の「災害ごみ」だ。

 猛暑の中でのごみの撤去作業は体力的に厳しく、人手も不足しているが、作業に手間を取られれば、被災者が元の生活を取り戻すまでの時間も長引きかねない。さらに、集められたごみの処理は追いついておらず、各地の仮置き場には山のように積み重なり、ごみが道路や空き地をふさいでいる場所もある。

 豪雨から10日以上たち、時間の経過とともに、悪臭など衛生環境の悪化も懸念される。腐敗しやすい生ごみなどから早期に処理するなど、収集・処理作業の優先順位付けや分別の徹底に努め、問題解消を急がねばらならない。

 過去の地震災害でも排出されたごみが問題となったが、水害で発生するごみは、水分を多く含むため腐敗しやすく、悪臭や汚水を伴う。また、水を吸って重量が増した畳や家具などの粗大ごみが大量に出るため、平常時の人手や車両では収集、運搬が困難となる。

 西日本豪雨の被災地では、岡山県倉敷市が7万~10万㌧のごみが出ると推計、大洲市では5万㌧に達する可能性があるという。全体では、近年の豪雨災害では最大規模の数十万~100万㌧近くになるとの見通しで、迅速かつ計画的な処理が不可欠だ。

 断水や避難所生活の影響で、使い捨て容器や割り箸など生活ごみの急増も予想される。一刻も早いごみの処理のために、大きな被害を受けていない周辺の自治体や民間の処理施設による広域的な支援が必要だ。安倍晋三首相は、災害ごみの処理について、被災自治体への財政支援を行う方針を表明している。国が中心となり、処理の態勢づくりも進めてほしい。

 広い範囲で被害を受けた南予などでは、家からごみを搬出したり、車に積んで運んだりする作業が困難な高齢者世帯にボランティアが入るなど、住宅の清掃やごみの撤去が進み始めた。

 その一方で、仮置き場に運び込まれたごみの増加が深刻化している。宇和島市吉田地区では満杯状態となった仮置き場が一時封鎖された。西予市野村地区では仮置き場の不足が指摘されているほか、重機、車両も足りないため、処理施設への搬出も進んでいない。

 このほかにも被災地には、住民らが地域で設置している仮置き場も多い。家電や家具、衣服などが分別されていないままの所もあり、畳の発酵やカセットコンロのボンベによる発火が心配される。暑さや疲労に悩まされる住民にとって、さらなる負担となることは忍びないが、時間やコストをかけず安全に処理するためにも、分別しての搬入に協力をお願いしたい。

    過去の社説一覧へ

    ※社説・地軸は、未ログインの方は当日分、アクリートくらぶWEB会員は7日分、読者会員は制限なしでご覧いただけます。

    おすすめ記事

    <プレスリリース>一覧

    愛媛の情報なら、愛媛新聞のアプリ。

    欲しい情報をいつでもあなたにお届け!プッシュ通知機能も充実。