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社説

大阪の国有地売却 「破格」の安値 疑問点が多すぎる

2017年2月24日(金)(愛媛新聞)

 国民の財産である国有地が不当に安く処分されたと疑わざるを得ない。財務省近畿財務局が大阪府豊中市の国有地8770平方メートルを学校法人「森友学園」(大阪市)に、小学校新設予定地として評価額の14%で売っていた。随意契約だった上に、当初は学園側の要望で売却額を開示しないなど、国の姿勢は透明性を欠いている。真相を徹底的に究明しなければならない。

 問題の土地は国土交通省大阪航空局が保有していた。不動産鑑定士による更地の評価額は9億5600万円。しかし、地中深くで見つかったとされるごみの撤去費用を航空局が8億2200万円と見積もり、その額を差し引いた1億3400万円で売却された。

 隣接する国有地9492平方メートルは7年前に豊中市が購入しているが、その額が14億円余りだったことを考えると、学園の取得額は「破格」。しかも学園側は実際のごみ撤去費用を「1億円は超える」とする程度で、詳細を明らかにしていない。

 民進党の国会議員による聞き取りに対し、財務局や航空局はごみが出た地点を答えられなかった。きちんと撤去したかどうか確認せず、学園側が実際にいくら負担したかも把握していない。ずさんと言うほかない。

 学園側はそれ以前にも、浅い土中にヒ素や鉛の土壌汚染があり、国に代わり土壌入れ替え作業をしたとして、国から1億3100万円を受け取っている。結局、国の収入は300万円程度にすぎない。

 国はまず、なぜ随意契約だったのかや、ごみ撤去費用の算定基準を説明するべきだ。学園側もそれぞれの作業で実際にいくらかかったのか、詳細を明らかにする必要がある。

 さらに懸念されるのは、安倍晋三首相の妻の昭恵氏が名誉校長になっていることだ。「安倍晋三記念小学校」の名目で寄付金を集めていたことも分かっている。土地の売却に関して政治家の関与や、首相への「忖度」が決してあってはならない。

 首相は寄付集めについて、衆院予算委員会での民進議員の指摘で「初めて知った」としたほか、土地の売却などへの関与を否定し「私や妻、事務所が関わっていれば、首相も国会議員も辞める」と言い切った。もし勝手に名前を使われたのなら、厳重に抗議をするのが筋。自ら積極的に解明に動くべきだ。

 森友学園が運営する幼稚園は「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」などと記載した文書を保護者向けに配布するなど、差別的な姿勢が大阪府に問題視された。戦前の「教育勅語」を暗唱させるなどの教育でも知られる。府の私立学校審議会でも、学園の財務状況や教育方針を疑問視する声が相次いだ。府は小学校の設置認可を慎重に判断しなければならない。

 民進は国会への法人理事長の参考人招致を求めている。数々の疑惑を明らかにするために、一日も早い実現を望む。

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