ログイン
Myページ

愛媛新聞ONLINE

2017
525日()

ログイン
Myページ
MENU

社説

米「ロシアゲート」疑惑 選挙干渉と司法妨害

2017年5月25日(木)(愛媛新聞)

 トランプ米大統領誕生から4カ月。イスラム圏からの入国禁止の大統領令が裁判所によって差し止められるなど、当初からほとんど公約が実現できず、混乱続きの政権にとって「最大の危機」と言えよう。連邦捜査局(FBI)のコミー長官解任などが司法妨害罪の捜査対象となり、大統領弾劾につながる可能性が出てきた。

 トランプ氏は、政権発足前からロシアとの「不適切」な関係が指摘されてきた。その疑惑を解明するため、司法省は元FBI長官のモラー氏を特別検察官に任命した。モラー氏には慎重かつ徹底的に、全ての疑惑を解明してもらいたい。

 トランプ氏は特別検察官任命を「米国史上最大の魔女狩り」と非難する。しかし、捜査機関への攻撃や不当な圧力こそが、政治不信の根にあることを自覚し、誠実に捜査に協力しなければならない。

 一連の疑惑の発端は、大統領選でロシアがクリントン氏陣営にサイバー攻撃を仕掛けたとされる事件。前大統領補佐官が政権発足前、駐米ロシア大使と対ロ制裁見直しで協議していたことなども判明した。結託が疑われても仕方のない行為だ。

 さらに、トランプ氏は捜査を陣頭指揮していたコミー氏を解任。コミー氏在任中は、自身が捜査対象になっていないか確認していた疑いなども発覚した。政権に不利な捜査阻止を狙った司法妨害の疑いが極めて強く、三権分立が確立された民主主義国家の根幹を揺るがしかねない問題で、到底看過できない。

 トランプ氏が、イスラエルから提供されたとみられる過激派組織「イスラム国」に関する機密情報を、ロシア外相らに漏らした疑いも明るみに出た。米外交の信頼性に関わる問題で、責任はあまりにも大きい。

 特別検察官は1970年代のウォーターゲート事件、90年代のクリントン大統領による不倫もみ消し疑惑の捜査でも任命された。今回の疑惑は、特別検察官を解任したニクソン大統領が辞任に追い込まれたウォーターゲート事件に酷似し、「ロシアゲート」とも呼ばれる。トランプ氏が実際に弾劾されれば、米国史に大きな汚点を残す可能性がある。

 捜査機関と対立を深めるトランプ氏は、自身に批判的な報道機関に対しても同様に一層攻撃を強めている。都合の悪い情報を一方的に「偽ニュース」と決めつけ、特定メディアを記者会見から締め出した。ホワイトハウスでの定例記者会見をやめて「質問に書面で答えるのが一番いいかもしれない」との考えも示している。

 批判を許さず、説明責任を放棄する姿勢は、国民の知る権利や報道の自由への侵害でしかない。政治や経済、軍事などあらゆる面で世界をリードする米国のトップとして、資質が問われよう。米国がこの「危機」をどう乗り越えるか、捜査の行方を世界が見ている。

過去の社説一覧へ

※社説・地軸は、未ログインの方は当日分、アクリートくらぶWEB会員は7日分、読者会員は制限なしでご覧いただけます。

おすすめ記事

<プレスリリース>一覧

愛媛の情報なら、愛媛新聞のアプリ。

欲しい情報をいつでもあなたにお届け!プッシュ通知機能も充実。