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社説

首相の所信表明 強権体質を改め充実した審議を

2020年10月27日(火)(愛媛新聞)

 本当に「国民のために働く内閣」なのか問われる。菅義偉首相の就任後、初の論戦となる第203臨時国会が召集された。菅首相は所信表明演説で「前例主義の打破」を掲げ改革をアピールした一方、強権的とも批判される政治手法を省みる姿勢は見せなかった。

 日本学術会議の会員任命拒否問題などを巡り、政府が説明責任を十分に果たさないことに国民の不信感は高まっている。首相は異論を許さず、説明や議論に背を向ける独善的姿勢を改めるべきだ。民主主義のプロセスを重視しないと国民の支持は得られないと自覚し、国会審議を充実させなければならない。

 首相は学術会議が推薦した会員候補6人の任命を拒否した。拒否の理由について「総合的、俯瞰(ふかん)的」と繰り返すが、具体的には説明していない。学術会議側が「憲法が保障する学問の自由を脅かす」と反発すると、政府は予算の無駄削減といった名目で学術会議の在り方の見直しに着手した。任命拒否問題は脇に置いたままで、論点のすり替えと言わざるを得ない。

 共同通信が今月中旬に実施した世論調査で、任命拒否問題を巡る首相の説明は「不十分だ」との回答が7割超に上った。菅内閣の支持率も前回9月の調査と比べ5・9ポイント減少した。国民は納得しておらず、首相への信頼度が低下したのは明らかだ。首相は国会で詳しく説明することが求められる。

 安倍政権当時からの森友・加計学園問題や桜を見る会の疑惑も、いまだに真相が解明されていない。国会で引き続き調査する必要がある。

 足元の最重要課題は新型コロナウイルス対策だ。感染の収束は見通せず、インフルエンザとの同時流行への警戒も要する。首相は演説で「爆発的感染は絶対に防ぎ、国民の命と健康を守り抜く」と強調。リスクの高い高齢者らに徹底した検査を実施し、医療資源を重症者に重点化するとの考えを述べた。

 コロナ禍で悪化した経済の再生も正念場にある。政府は「Go To キャンペーン」を展開するが、人の動きが増えると感染拡大のリスクも高まる。再び経済活動を停滞させず、医療体制にも過度の負担をかけないためには実効性のある感染対策が重要だ。解雇・雇い止めは既に6万人を超えた。今後も増加する恐れがあり、国のきめ細かな支援策が欠かせない。

 ここにきて、首相は2050年に国内の温室効果ガス排出を実質ゼロにすると宣言した。実現には再生可能エネルギーの拡大、石炭火力発電廃止など政策の転換が必須だ。先行する各国に追いつくには具体的な道筋を示すことが急務となる。

 野党は早期の国会召集を求めたが、首相指名から所信表明演説まで約40日間も空いた。国会を軽視した政府・与党の責任は重い。出遅れを取り戻し国難を打開するため、与野党は徹底的に議論しなければならない。 

 

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