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社説

米中貿易戦争 事態の打開へ互いに歩み寄りを

2018年9月24日(月)(愛媛新聞)

 米国と中国の「貿易戦争」が泥沼化している。相互不信が募り、問題解決への道筋は見えてこない。制裁と報復の応酬は、米国が狙う対中貿易赤字の削減につながらないばかりか、世界経済の混乱を深める。両国は交渉で打開策を探るよう戦略を変えなければならない。

 トランプ米大統領は年2千億ドル(約22兆円)相当の中国からの輸入品に追加関税を課す制裁第3弾を発動すると発表した。中国政府は報復として600億ドル相当の米国からの輸入品に追加関税を課すとしている。

 米国の一連の追加関税は、中国からのモノの輸入額のほぼ半分となり、もはや異常事態といえる。大国の米中両国には世界経済安定への責任がある。さらに、危機は一気に世界中に連鎖するという10年前のリーマン・ショックで学んだ教訓を肝に銘じる必要があろう。

 対話ムードがますます後退しているのが心配だ。米国と中国は月内に貿易問題で閣僚級協議を開く予定だったが、協議前にトランプ政権は制裁を決めた。これを受け中国は態度を硬化させ、協議再開を取りやめたという。中国は今のままでは一方的に譲歩を迫られると判断したのだろうが、互いに歩み寄りを模索し続けてほしい。

 何よりも「戦争」を仕掛けた米国に自制が求められる。トランプ氏は第4弾として、残る全ての輸入品に追加関税を課す方針も表明した。圧力をかけ、譲歩を引き出すやり方は容認できない。米中間選挙前に対中制裁をアピールしたいようだが、関税の上乗せで米国内の物価上昇を招けば、消費者に痛みが跳ね返ることになる。経済界から批判的な意見が出るのも当然だ。

 ここまで制裁を続けても、期待した赤字削減の効果はまだ得られていない。7月のモノの貿易収支で対中赤字は単月として過去最大に達した。中国の米系企業は制裁の影響を避けるため生産や調達の拠点を国外に移すことを検討している。しかし、多くが東南アジアやインドを移転先とし、米国に戻ろうとする企業は少ない。米国が外国から輸入する構図は変わらない。

 中国も冷静に状況を見極めて応じたい。国内の対米強硬世論に配慮して報復を重ねるだけでは、減速傾向にある国内経済の先行きは一段と不透明さを増すことになる。外資規制や行政審査を通じ、進出企業に技術移転を強要する不適切な慣行は、各国から問題視されており、自ら是正する対応も不可欠だ。

 赤字が削減されず、いらだつ米国の矛先が日本に向けられることを危惧する。日米貿易協議で米側は農畜産物の一層の市場開放だけでなく、自動車輸出の数量規制を求める恐れもある。日本は毅然(きぜん)と対応し、理不尽な要求を受け入れてはいけない。欧州連合(EU)と共同で、世界貿易機関(WTO)の改革方針を提案しようとしている。多国間で連携し、世界貿易の秩序を取り戻すよう求めたい。

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