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社説

千葉・大規模停電 復旧に時間 課題と備えの検証を

2019年9月16日(月)(愛媛新聞)

 9日に首都圏を襲った台風15号の影響が長期化している。被害が甚大だった千葉県では、なお10万戸以上で停電が続き、東京電力パワーグリッド(PG)は全面復旧に今月27日までかかるとの見通しを示している。

 残暑が厳しい中、エアコンや冷蔵庫が使えず、水を送るポンプが動かないため水が出ない。連絡を取ろうにも固定電話は不通で、充電ができなければスマートフォンも役に立たない。電気がライフラインの要であることを改めて思い知らされる。不便を強いられる被災者への支援を強化し、停電を一刻も早く解消してもらいたい。

 復旧の遅れは、送電網の修復が難航しているのが原因だ。電柱の倒壊や倒木による電線の寸断が広範囲におよび、現地になかなかたどり着けず、修復後の安全確認にも時間がかかっている。経済産業省は千葉県だけで2千本以上の電柱が倒壊や損傷したと推計している。

 東電PGは当初、11日中にも全面復旧させる方針を示していた。だが13日になって「(被害を)過小に想定してしまった」と釈明し、復旧はさらに最大2週間かかるとした。疲労がピークに達している被災者の失望はいかばかりか。見通しの甘さに地元自治体からも批判が出ていることを重く受け止めなければならない。

 昨年9月の台風21号でも大規模停電は起きている。関西電力管内は千本以上の電柱が折れ、延べ220万戸が停電。全て解消するまで17日を要した。復旧が遅れたことを踏まえ、関電は全容把握の迅速化と復旧見通しを速やかに発信する体制強化を打ち出したが、こうした教訓が今回生かされたのか、検証が欠かせない。

 自然災害から電柱や電線の被災を減らすには、地中に埋設する「無電柱化」が有効だが、進んでいないリスクが改めて浮き彫りになった。ロンドンやパリといった海外の主要都市の無電柱化率が100%なのに対し、東京23区は2016年時点でわずか8%にすぎない。

 国は16年成立の法律に基づき18~20年度で新たに1400㌔の無電柱化を目標に掲げているが、整備を加速すべきだ。1㌔当たり5億円を超すという埋設費用がネックだけに、コストを抑える工法の開発にも力を入れる必要がある。電柱の強度をこまめに点検し、電柱周辺で倒木の恐れがある木をあらかじめ取り除いておく作業も並行して取り組みたい。

 昨年9月の北海道地震では、全域停電(ブラックアウト)に見舞われた。これまで経験のない範囲や長期間の停電は今後も起こり得ると想定し、備えの点検が必要だ。行政は民間が保有する蓄電池が、いざというときに使えるよう協力体制を整え、充電可能な場所を示すマップづくりなども進めるべきだろう。停電の間、命や生活をどう守るべきか、一人一人が引き続き考えていきたい。

 

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