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新型コロナ対策 危機乗り切るための最適解競え

2021年10月16日(土)(愛媛新聞)

 衆院選では新型コロナウイルス対策が最大の焦点となる。菅前政権は経済に軸足を置き、ワクチンを「切り札」と力説するあまり、他の対策が後手に回った面が否めなかった。緊急事態宣言の発令と解除を繰り返し、危機の長期化を招いた。

 

 政府はきのう、今後の感染拡大に備えた対応の全体像の骨格を提示。夏の流行「第5波」以上の感染に耐えられる医療体制の整備を打ち出したが、岸田文雄首相の手腕は未知数だ。

 

 こうした政策の是非が問われる一方、どの党が次期政権を担っても感染対策と日常生活の両立が最大課題となる。冬にも到来が予想される第6波に備え、人流抑制や病床確保をどう強化していくか。感染症に強い社会へ最適解を競ってもらいたい。

 

 菅義偉前首相は最後の会見で医療提供体制の整備が進まなかったと認めた。第5波では自宅療養者が全国で最大13万人以上に上り、症状が悪化しても入院できず、自宅で死亡する人が相次いだ。救急の搬送先がすぐに決まらない事案も頻発した。

 

 救える命が救えないことがあってはならず、病床確保や検査体制の拡充は急務だ。

 

 政府が示した対策の骨格はこうした反省に基づく。確保病床の使用率引き上げや公的病院の専用病床化を柱に据え、コロナ病床として申告しながら実際には患者を受け入れない「幽霊病床」の改善も盛り込んだ。

 

 ただ、対策を具現化するには現在も難航する医療人材の確保をさらに進める必要がある。都道府県や医療機関への効果的な支援策を打ち出せるのかどうか見極めたい。

 

 ワクチン接種の加速は菅前政権にとって成果だった。デルタ株が猛威を振るう中で、犠牲者を減らすことに寄与した。

 

 ただし、感染拡大時には国民に外出自粛などの行動変容を徹底してもらうことが重要だ。それを実現するには、人々の心に響く言葉で説明を尽くさなければならない。菅前首相にはその姿勢が乏しかった。

 

 教訓を踏まえ、次の再流行をいかに抑えるか。次期政権に突き付けられた問いだ。欧米諸国のようなロックダウン(都市封鎖)といった厳しい措置はなじまない以上、感染防止には、まず国民の信頼を高めることが欠かせない。

 

 野党は政府のコロナ対策を問題視する。立憲民主党は官邸に官房長官をトップとするコロナ対策の司令塔組織を設けることを衆院選公約に盛り込み、共産党は感染症病床や救急・救命体制の予算倍増を提言。他の党も含め政権との違いがはっきりするよう政策をさらに肉付けしていかねばなるまい。

 

 コロナが助長した貧富の格差も政治が取り組むべき課題だ。ただ目先の支援規模を競うのではなく、社会の分断の修復を主眼に置きたい。多様性や共生を認め合うコロナ後の社会につなげられるかどうか、与野党の力量が試されている。

 

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