愛媛新聞ONLINE

2022
121日()

新聞購読
新規登録
メニュー

社説

国会代表質問 丁寧な説明 中身こそが問われる

2022年1月21日(金)(愛媛新聞)

 岸田文雄首相の施政方針演説などに対する各党代表質問が、きょうまで行われている。

 

 新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」が猛威を振るうなか、今国会の論戦の皮切りとなる。注目される首相の答弁だが、これまでの政府見解をなぞる場面が多く、議論の深化につながっていない。

 

 低姿勢と丁寧さを前面に出すだけでは国民の疑問に答えたことにはならず、論戦を通じて政策を練り上げるという国会本来の姿も取り戻せない。首相が自ら訴える「信頼と共感」の政治姿勢に、このままでは疑問符が付くと心すべきだ。

 

 立憲民主党の泉健太代表は政府のコロナ対策に関し、オミクロン株の強い感染力を前提にしていないと批判。医療提供体制の整備など政府の対応策を早急に改善すべきだと訴えた。

 

 対して首相は医療体制の逼迫(ひっぱく)度を踏まえて、総合的に判断するとしている現コロナ対策を変更する考えはないと強調。まん延防止等重点措置などの適用要件も維持する姿勢を示した。

 

 現コロナ対策は昨年11月に決めた「全体像」に基づく。首相は強気を装うが、オミクロン株の感染スピードに追いつけていないのは明らかだ。

 

 重症患者こそ少ないものの、強力な感染力にどう対処すべきか。社会機能維持と医療逼迫防止を両立させる視点がこれまで以上に求められる。ワクチン3回目接種の加速、検査体制の拡充を着実に進めるとともに、オミクロン株の特性を踏まえて柔軟に対応していくべきだ。

 

 泉氏は「政策提案路線」を実践するものの、先の臨時国会では存在感を発揮できず、党内には野党の中で埋没しかねないとの懸念が広がっている。

 

 今回は追及に軸足を置いた。沖縄県などの在日米軍基地からの感染拡大は「国民の命と暮らしに直結する問題だ」と非難。日米地位協定見直しに及び腰の政府姿勢をただすなどした。

 

 それでも対決と提案のバランスに苦心がにじみ、迫力不足が否めない。野党の使命である政権監視の役割を後退させることなく、国民が信頼を置ける選択肢になれるかどうか正念場だ。

 

 夏の参院選をにらみ、失点を避けたい首相は守りの姿勢に終始。森友学園や日本学術会議の会員任命問題を巡る答弁にも前進はみられなかった。

 

 施政方針では政治・行政が自らを改革し、律していく必要性を訴えたはずだ。安倍・菅政権の負の遺産に対し、真摯(しんし)に向き合わないのなら、言行不一致のそしりは免れない。

 

 国土交通省の建設受注統計書き換え問題への対応も厳しく問われる。首相は再発防止に向けた改善策を示すと表明したが、原因究明なしに実効性のある策はつくれない。自ら指導力を発揮すべきだ。

 

 代表質問終了後は予算委員会へ審議の場が移る。国民の視線を強く意識し、実のある論戦をしてもらいたい。

 

    過去の社説一覧へ

    ※社説・地軸は、未ログインの方は当日分、アクリートくらぶWEB会員は7日分、読者会員は3年分をご覧いただけます。

    おすすめ記事

    <プレスリリース>一覧

    愛媛の主要ニュース

    トップ10ニュース

    愛媛の情報なら、愛媛新聞のアプリ。

    欲しい情報をいつでもあなたにお届け!プッシュ通知機能も充実。