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フェイクニュース

2017年10月20日(金)(愛媛新聞)

 「およそ人は自分の望みを勝手に信じてしまう」―古代ローマの将軍カエサルの言葉。偽情報を流して敵をうまく誘い出した作戦が成功した場面の寸評として「ガリア戦記」に出てくる▲

 2千年以上たっても、人の本質は変わらないようだ。インターネット上に広がるフェイク(偽)ニュース。根拠不明で、調べればすぐ虚偽だと分かるのに、安易に信じてしまう人が少なくない▲

 立命館大の開沼博准教授は先日、長野市での講演で、ネット上の言論の特徴を「見たくないものを見ぬふりができる。感情的価値判断が先にあって、そこから理屈をつくる」と指摘。社会で基本的な事実認識が共有しづらくなっている現状を嘆いた▲

 権力者が自分に都合の悪い報道を「フェイク」と決めつけることで、メディアに圧力をかける弊害もある。トランプ米大統領による攻撃はとうとう、テレビ局に対する放送免許の剝奪を示唆するまでに▲

 日本でも昨年、曖昧な「政治的公平」を理由に、放送局に電波停止を命じる可能性に言及した総務相がいた。国連の特別報告者から言論・表現の自由に対する懸念を警告されたことも記憶に新しい▲

 明日まで新聞週間。代表標語は「新聞で見分けるフェイク知るファクト」で、事実軽視の風潮に警鐘を鳴らす。衆院選でも票目当ての「巧言」が散見される。「自分の望み」だからと、単純に信じるわけにはいかない。その裏にある本音を見極めたい。

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