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地軸

愚直な努力家

2017年1月24日(火)(愛媛新聞)

 圧倒的な強さを見せたかと思えば、ここ一番でつまずく。そんな相撲でファンをやきもきさせ続けた大関稀勢の里が、横綱昇進を決めた。「和製横綱」は3代目若乃花以来19年ぶり▲

 新入幕から73場所、大関昇進から31場所を費やし、先の初場所で悲願の初優勝をつかみ取った。ただの「遅咲き」ではない。新十両と新入幕は貴乃花に次ぐ史上2位のスピード出世で、「早熟で晩成の珍しいタイプ」と本人も苦笑い▲

 勝負師に徹しきれない優しさが指摘されるが、「根性は人一倍」と師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)。15歳で入門した当初、関取だった親方に稽古で負けて悔し涙を流す姿が忘れられないという。15年の土俵生活で休場が1日しかない頑健さも、厳しい鍛錬を重ねた証し▲

 中学の卒業アルバムにはこう書いた。「天才は生まれつきです。もうなれません。努力で天才に勝ちます」。武骨、不器用などと形容されるひたむきさの原点に触れた気がする▲

 地方巡業などで何度も愛媛を訪れている。昨年秋は松山場所のほか、西予市の「乙亥大相撲」にも。赤ちゃんを抱いて四股を踏む柔和な表情が紙面を飾った。綱を締めた雄姿を今から楽しみにしている人も多いのでは▲

 優勝後の会見では、先代師匠の故鳴戸親方(元横綱隆の里)の名を何度も口にした。恩人に誓った最高位にも「まだまだこれから」。その思いを貫けば、愚直な努力家はもっともっと強くなれる。

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