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2020
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地軸

貧困の克服

2020年8月13日(木)(愛媛新聞)

 口の周りから顎にかけてびっしりひげが生え、40代の精悍(せいかん)さと60代の落ち着きが不自然さもなく一体になっている。山本周五郎の小説「赤ひげ診療譚」で容姿が描写されていた▲

 物語の舞台となった江戸時代の小石川養生所で、貧しい人々の治療に当たった「赤ひげ」と呼ばれる所長のことである。彼は怒り、そして嘆きながら、主人公の青年医師に持論を語る。「貧困と無知さえ何とかできれば、病気の大半は起こらずに済む」。医術の限界を感じつつ、社会問題の根源に「貧困と無知」があると考えていた▲

 貧困が克服すべき課題であるのは現代でも変わりはない。中間的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の割合「貧困率」が13・5%だった。子どもの7人に1人が貧困状態にある。厚生労働省が先月公表した調査で分かった▲

 コロナ禍が追い打ちをかける。当面の生活費を貸し付ける「緊急小口資金」の申請が各地で殺到している。生活に行き詰まる人の増加を何としても食い止めねばならない▲

 赤ひげは政治に失望していた。「政治が貧困に対して何かしたことがあるか」。幕府が出した法令で人を貧困にしておいてはならないと示された例はない、と▲

 今はある。政府は昨年決めた子どもの貧困対策大綱で、子育てや貧困を家庭のみの責任とせず、子どもを第一に考えた支援を包括的に実施するとしている。誰かを失望させることのないよう対策を急ぎたい。

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