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与えて思わず

2019年9月15日(日)(愛媛新聞)

 「与えて思わず受けて忘れず」。この言葉を座右の銘としていた女性がいた。60年前に亡くなった東温市出身で社会事業家の城ノブである。その信条は墓碑にも刻まれている▲

 大正時代に「神戸婦人同情会」を設立、貧困に苦しむ女性の支援や孤児の養育に尽力した。女性解放運動や女性参政権確立にも力を注いだ。愛情を持って正義を貫き、女性のために生涯をささげた実践家とも評される▲

 城が願った女性の政治参画が思うように進んでいない。政治分野における男女共同参画推進法が成立して初の大型国政選挙となった参院選では女性の当選者が過去最多だったが、政府目標の3割には届かなかった▲

 今回の内閣改造でも閣僚19人のうち女性は2人にとどまった。入閣待機組を登用し、派閥のバランスに腐心した顔ぶれをみていると、女性活躍を掲げる政権の本気度には首をかしげざるを得ない▲

 かつて、政界で女性が躍進した時期がある。1989年8月、森山真弓さんが初の女性官房長官に就任した。野党には故土井たか子さんがおり、与野党の中心に女性がいた。当時、森山さんは「国会に男女は関係ない」と言いながら、「もっと女性が増えれば事態は変わる」と願った。果たして事態は変わったのだろうか▲

 当たり前の機会や権利が与えられ、受け取った人はそれを大事に生かしていく。城の信条が普通に実践される社会になかなかならない。何とも歯がゆい。

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