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地軸

ロシアの強権

2021年1月27日(水)(愛媛新聞)

 居住空間以外にヘリポートやスケートリンク、教会、劇場、温室…。ロシア南部の黒海沿岸にあるという美しい建物は、まさしく「宮殿」と呼ぶのにふさわしい豪華さである▲

 宮殿の持ち主は、ロシアに君臨するプーチン大統領だと反体制派が動画で暴露した。推定1400億円相当で、側近や企業トップらが建設費を負担した「世界最大の賄賂」とも。本人は所有を否定するが、国民に批判が渦巻いている▲

 かつて政権幹部が「プーチンあってのロシア」と発言した。プーチン氏はフランスの専制君主ルイ14世の言葉「朕(ちん)は国家なり」を引き合いに出し、そういう命題は間違いだと述べたという(佐藤親賢著「プーチンとG8の終焉(しゅうえん)」)。今回の宮殿がルイ14世のベルサイユ宮殿をほうふつとさせるのは皮肉だ▲

 このところプーチン氏の強権ぶりが目につく。ロシア国内で毒殺未遂に遭い、国外で療養していた反体制派ナワリヌイ氏を帰国直後に逮捕、勾留した。政権の不正を暴き続ける目障りな政敵を徹底的に抑え込む姿勢だ▲

 さらに、ナワリヌイ氏の釈放を求める抗議行動にも容赦しない。参加者を治安部隊が警棒で殴り、排除する映像は衝撃的だった。抗議行動は全土に広がっており、本来なら政権への不満の高まりを自省すべきなのに▲

 権力維持へ力で異論を封じる姿は、いやでも専制君主を思わせる。時計の針を中世に巻き戻すような統治は、21世紀にふさわしくない。

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