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土用丑の日

2021年7月28日(水)(愛媛新聞)

 わなで捕まえたウナギが、水槽から逃げ出してしまった。懸命につかまえようとするお父さん。でもその手を「ぬるん」とすり抜けていく―▲

 

 先日のヤン落コーナー。宇和島市の女子児童の投稿に思わずほおが緩む。悪戦苦闘するお父さんの姿を見て妹と大笑いしたとしつつ、食べるのが楽しみとも。それが格別の味だと気づくのはもっと大人になってからかもしれない。南予のウナギ漁がもたらす温かい家族の光景▲

 

 きょうは土用丑の日。いまの時代、親ウナギの天然ものにはほとんどありつけない。日本人が食べているウナギはほぼ稚魚のシラスウナギを捕獲して養殖池で大きくしたものだ。それでも庶民にとって「高根の花」になりつつある▲

 

 水産庁によると、2021年のシラスウナギの国内漁獲量は11・3トンで、記録的不漁だった19年の3・7トンからは持ち直しているという。朗報ではあるものの、資源回復には遠い。輸入でさらに稚魚を確保しているのが実情だ▲

 

 需要期に合わせて店頭では品ぞろえに力を入れる。新型コロナウイルス禍が長引く中、巣ごもり需要も強そう。ただ絶滅危惧種に指定されたことなど忘れているかのような食品ロスは避けなければ。業界も消費者も無駄を防ぐ工夫が大事▲

 

 世界のウナギ消費量の7割を占める日本。資源の危機が続けば、愛すべき食文化も国際社会から否定されないとは限らない。おいしく味わうための責任も考えてみたい。

 

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