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地軸

警鐘

2019年1月20日(日)(愛媛新聞)

 米航空宇宙局(NASA)の夜間可視衛星が、初めて日本海の上空を通過した夜のこと。宇宙から見える光の大きさに「巨大都市の出現か」と勘違いした。イカ釣り漁船団のいさり火が原因だった。(桜井泰憲「イカの不思議」北海道新聞社)▲

 世界で最もイカを食べる日本。国内の水産物の消費量では、サケに次ぐ2位の座をマグロと競う。ところが近年、その大半を占めるスルメイカが記録的な不漁続きだ。水揚げ量が10年前の3割以下になり、価格は2倍以上で高止まっている▲

 スルメイカの半分は干物の「するめ」や「塩辛」などの加工品の原料となる。業界の打撃は深刻。駄菓子でおなじみの「カットよっちゃん」はサイズを変更、実質値上げに踏み切った。当たり付きもやめた。お父さんのつまみにも影響しているはず▲

 冬に産卵場となる東シナ海の海水温が低く、卵がうまくふ化しないらしい。寿命はわずか1年のため、親イカが減れば、すぐに卵の数に直結する。資源が減るスピードは速く、回復は当面難しいという▲

 イカ研究者の桜井さんは著書で、これまでの温暖化で適した産卵場の面積も狭まっていると指摘する。水温は高すぎても低すぎても駄目らしい。その敏感さは「環境変化の指標種と言われるゆえんです」▲

 遠い昔から日本人の食卓を支えてきたスルメイカ。その大不漁は、このままでは海の輝きが取り戻せなくなる警鐘と受け止めるべきだろう。

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