愛媛新聞ONLINE

2023
128日()

株式会社ワイヤーオレンジ

ただただ子どもたちに笑って欲しくて書いた絵本、その名も『うんこガエル』の誕生秘話

2022年12月20日(火) (株式会社ワイヤーオレンジ)

デビュー作が累計6万部を突破。「母の形見」「ノンフィクション」の絵本とは


絵本作家〝原田たけし〟は、とてもラッキーな作家である。なぜなら、この出版不況と言われる中、2014年に出版したデビュー作がいきなり売れたのだ。累計約6万部…その数字は約10年経つ今でもスコアを伸ばしている。


しかし、そんな原田のデビュー作であるが、世に出す前は「こんな絵本売れるわけがない…」と周りからは揶揄されていた。まぁ、そう言われても仕方ない。


彼のデビュー作『小学生のボクは、鬼のようなお母さんにナスビを売らされました。(以下:ボクナス)』は、見ての通り・・・・・




まず、絵が気持ち悪い


次に、タイトルが長い


また、絵本の中面を見れば明白だが・・・・・





ナスの紫一色しか使われておらず、絵本にしては全体的にダークである


・・・と、売れない理由を挙げれば他にも


そもそも絵本作家でも何もない作者が、独学で作った絵本など売れるわけがないという、考えてみると当然のことである。


そう、原田は、それまで地元徳島県をメインで発行している育児雑誌『ワイヤーママ』という出版社を経営していた。雑誌の編集経験はあれど、絵本のノウハウなど皆無であった。しかし、彼はどうしても、この絵本を世に出したかった。なぜならこの物語は、彼の亡き母の生き様だからである。原田が14歳の時に、病気で亡くした母が残してくれた物語…つまり形見のノンフィクションなのだ。


育児雑誌を編集しながら、原田が感じた「どうも、最近の若い親は、子どもを叱ることが苦手なのではないだろうか?」という危惧に対し、かつて母親が自分を叱ってくれた経験を絵本にして、今の若い親に訴えたかったのである。


その執念か? この絵本『ボクナス』が発売されてちょうど1年後、高視聴率の人気番組のプロデューサーの目に留まった。フジテレビ系の看板番組『奇跡体験!アンビリバボー』で、約30分にわたり、この絵本が特集されたのである。



(画像許諾:株式会社E&W様)


この放送を機に、飛ぶように売れた原田のデビュー作『ボクナス』。また、この放送から半年後には、日本テレビ系の人気番組『世界一受けたい授業』でも、あの美声の俳優・森本レオ氏による、この絵本の朗読も放送され、作家としての原田は〝エグイけど泣ける作家〟略して〝エグ泣き系作家〟と称されるようになる。



朝日新聞の書評サイトで〝エグ泣き系作家〟としてインタビューを受ける原田。

https://book.asahi.com/article/14478013


そして、本業であった育児雑誌社を、地元の出版社に営業譲渡し、晴れて専業絵本作家に転身した2021年、また〝エグ泣き系〟の作品でヒットを飛ばすことになる。


コロナ禍の子どもたちに届けたかった絵本、『ゾンビハムスターねずこ』とは


寿命で死んでしまった主人公のハムスター〝ねずこ〟は、どうしてもこの世にやり残したことがあり、ゾンビとなって甦る…。一見、おどろおどろしい作風だが、原田曰く「コロナ禍で、子どもの自殺数が増えたことをニュースで知り、どうしても書きたくなった」というこの作品『ゾンビハムスターねずこ(以下:ねずこ)』は、発売半年で増版が決定した。



連続ヒット作の裏で、絵本作家・原田に寄せられていたリクエストとは?


母の闘病を世に残したかったデビュー作『ボクナス』、コロナ禍の子どもたちに訴えたかった前作『ねずこ』、連続して〝エグ泣き系〟の絵本が世に受け入れられたことは原田にとって嬉しかったが、こんな意見もSNSのDM等で届くようになる…


「原田先生の絵本はとても良い本だけど『ボクナス』にしても『ねずこ』にしても、小学生以上でないと内容が理解しにくい」


「メッセージ性の強い原田先生の作風は嫌いではないけど、もっと3・4歳の幼児でも読めるような簡単な絵本も書いて欲しい」


そんな読者たちの声に応えて、原田が挑んだ初ジャンルの低年齢向けの絵本、それが2022年11月24日に発売されたばかりの最新作『うんこガエル』である。



この絵本に込めた想いを、原田はこう語る。

「閉塞感ばかりが続いているここ数年、子どもたちにとにかく、ただただ笑って欲しい。そして、そんな子どもたちの笑顔を見て親にも安心して欲しい。とにかく堅苦しいことは一切省いて、子どもの好きな物を二つくっつけたこの作品で、日本中の子どもを笑顔にしたい! それだけです!!」


原田は作家活動だけでなく、地元の幼児園や託児所などで、絵本読み聞かせの活動も並行しているが、今までの〝エグ泣き系〟の絵本には無かった反応が、この『うんこガエル』にはあるという。



読み聞かせを始める前から、子どもたちはもう既に笑っているのだ。


しかも、男の子も、女の子も、年長さんも年少さんも・・・そして、ときには大人の先生まで大爆笑。




とはいえ、実はこの『うんこガエル』、読んでみると明白であるが、こんな感じであるにも関わらず、テーマは〝母親の無償の愛情〟だったりする。なので、読み聞かせの最初は大爆笑であった子どもたちも、最後には真剣に聞き入るという、まさに〝エグ泣き〟系作家の真骨頂というべきストーリーで、代表作『ボクナス』と同テーマを、うんこ+カエルを用いて、幼児にも解りやすく展開させているだけなのだ。




原田は自分の作品群をこう締めくくる。

  • 小学校高学年向け→ボクナス
  • 小学校低学年向け→ねずこ
  • 幼稚園児・保育園児向け→うんこガエル

これで日本中の全ての子どもたちを絵本の世界のとりこにしたい。


ここ数年のスマホやゲームの進化ももちろん素晴らしいことであるが、絵本こそが〝紙媒体〟の最後の砦であると、原田は認識している。絵本作家・原田たけしは、この砦を守る番人の一人であるのかもしれない。


絵本『うんこガエル』

出版社 ‏ : ‎ リーブル出版 (2022/11/24)

発売日 ‏ : ‎ 2022/11/24

ハードカバー ‏ : ‎ 28ページ

ISBN-10 ‏ : ‎ 4863383630

ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4863383630

寸法 ‏ : ‎ 24.1 x 21.6 x 0.88 cm





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