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支援は新段階 孤立防止が課題

西日本豪雨4年 進む 住まいの再建 仮設住宅生活者 大幅減

2022年7月6日(水)(愛媛新聞)

大洲市が整備した災害公営住宅の平団地=6月24日、大洲市徳森(撮影・薬師神亮太)

大洲市が整備した災害公営住宅の平団地=6月24日、大洲市徳森(撮影・薬師神亮太)

被災した元の場所に住宅を再建した奥地昭美さん。母との新たな生活が始まる=6月17日、宇和島市吉田町法花津(撮影・阪和舞)

被災した元の場所に住宅を再建した奥地昭美さん。母との新たな生活が始まる=6月17日、宇和島市吉田町法花津(撮影・阪和舞)

 

 西日本豪雨災害の被災者の住まいの再建は、この1年で大きく進んだ。大洲、西予両市では計画していた災害公営住宅が全て完成。仮設住宅で暮らす人は大幅に減り、宇和島市の6世帯18人となった。引き続き残る世帯の住宅再建が急がれる一方、新しい生活環境での孤立を防ぐ取り組みなど、支援は新たな段階に入りつつある。

 

 

 

 6月中旬、宇和島市吉田町法花津の新築住宅で、公務員奥地昭美さん(52)が引っ越し作業を進めていた。豪雨災害では自宅が浸水被害に遭い、近くの移住体験施設などでの避難生活を経て、元の場所に住宅を再建した。

 

 奥地さんは、高齢者施設に入居していた母(76)と暮らす予定。新しい生活へ「期待もあり不安もある」としながらも、近所に顔見知りも多く、災害支援でさまざまなつながりもできたことから「なんとかやっていきたい」と前を向く。

 

 市災害記録誌によると、市内では最大300人余りが仮設住宅や公営住宅などで避難生活を送った。徐々に安定した住まいの確保が進み、同市吉田町西小路の建設型の応急仮設住宅は昨年8月末に全世帯の退去が完了した。

 

 ただ、7月末の退去予定者を除く5世帯は避難生活が続く。同市吉田町立間の奥白井谷地区で被災し、市中心部のみなし仮設住宅で暮らすかんきつ農家の清家明さん(59)は、元の場所に自宅を再建したい考えだが、近くの砂防ダム工事が終わらないため足踏み状態となっている。

 

 ほかの世帯もかんきつ農家が多く、同様の理由で再建の見通しが立たないとみられる。県によると、市内では33基の砂防ダムを建設予定で、本年度内に全てのダムの着工を目指すが、完成には時間を要する。ダムの完成前でも再建は可能だが、土砂災害特別警戒区域に指定されている場所では住宅の強度を上げることが求められ、費用もかさむ。

 

 長引く借り暮らしに清家さんは「家族のことを考えると、他の場所に移ることも検討しなければならない気もしてきた」と吐露。葛藤を抱えながら避難生活を続ける。

 

 災害公営住宅は、大洲、西予両市が戸建てや集合住宅を建設した。昨年9月までに大洲市で3カ所計50戸、西予市で2カ所計41戸がそれぞれ完成し、被災者を中心に全戸で入居を済ませた。生活の安定が図られる一方、新しいコミュニティーの形成や孤立を防ぐ見守りが課題となっている。

 

 大洲市の森団地(市木)と平団地(徳森)は、広い範囲から被災者が集まっており、高齢者も多い。個別支援や相談を実施してきた市社会福祉協議会の体制は縮小方向にあるが、災害公営住宅に移行後も配食事業などの一環で見守り活動を続けている。

 

 西予市も、ハード面の取り組みが一区切りついたとして、ソフト対策に力を入れたい考え。市社協などの活動は大洲と同様に縮小しているが、市は「引き続き被災者らに寄り添ったフォローを続けたい」としている。(西日本豪雨取材班)

 

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