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2022
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愛媛で最古のミカンを探せ!! 味は!?形は!?どこにある!?

 

加賀山平次郎の生誕地を伝える石碑。ここが愛媛ミカンのスタート地点

加賀山平次郎の生誕地を伝える石碑。ここが愛媛ミカンのスタート地点

3代目の果実を手に、立間地区の歴史を語る加賀山東喜雄さん

3代目の果実を手に、立間地区の歴史を語る加賀山東喜雄さん

最初に愛媛に持ち込まれた温州ミカンの木の3代目(左)を見つめる東喜雄さん

最初に愛媛に持ち込まれた温州ミカンの木の3代目(左)を見つめる東喜雄さん

愛媛ミカンの発展を支えてきた県みかん研究所

愛媛ミカンの発展を支えてきた県みかん研究所

年齢を重ねて傷ついてきた枝

年齢を重ねて傷ついてきた枝

樹齢80年以上の宮川早生。周囲の木よりも幹が一回り大きい

樹齢80年以上の宮川早生。周囲の木よりも幹が一回り大きい

小ミカンの木々。オレンジ色の実が見える木は全て500年以上生きている

小ミカンの木々。オレンジ色の実が見える木は全て500年以上生きている

鈴なりに付いた小ミカンを収穫する菅征永さん

鈴なりに付いた小ミカンを収穫する菅征永さん

小ミカン(左)と温州ミカン。まるで温州ミカンが中晩かんのように見える

小ミカン(左)と温州ミカン。まるで温州ミカンが中晩かんのように見える

500年以上の小ミカンの木の果実と、160年の木の果実。どっちがどっちか分かりますか?(左が高齢)

500年以上の小ミカンの木の果実と、160年の木の果実。どっちがどっちか分かりますか?(左が高齢)

 人は年齢を重ねれば重ねるほど、円熟味を増す。樹木は「年輪を重ねる」といい、年々風格を増していく。人の寿命が到底及ばない「樹齢何百年」といった木の前では、自然と背筋が伸びる。

 

 では同じ木でも、愛媛が全国に誇るミカンの樹齢はどうなのだろう。取材のきっかけはそんな素朴な疑問である。ミカンの木も、毎年毎年実を付け、木肌に深みをまといながら変化しているはずだ。その味は? その姿形は? 「県内で一番古いミカンに出合い、その果実を食べてみたい」。疑問と好奇心をバッグに詰め、2021年師走、県内各地を走り回ってみた。(竹下世成)

 

■愛媛のミカンとは

 

 一口にミカンといっても多種多様だ。県みかん研究所(宇和島市)などによると、長年、愛媛のミカンの中心として語られてきたのは温州ミカン。1970~03年の収穫量は全国1位をキープし、「ミカンといえば愛媛」を印象付けた。近年は和歌山に後塵(こうじん)を拝し、20年産は全国3位になったものの、県内かんきつ類の収穫量の6割弱を占めている。

 

 温州ミカンは、収穫時期の早い順に極早生(わせ)、早生、中生(なかて)、普通、晩生(おくて)に分かれる。県内では「宮川早生」や、中生に分類される「南柑20号」などが主力品種で、家庭のこたつの上を「定位置」として陣取っているのではないだろうか。

 

 これだけ種類があり、愛媛を支えてきた温州ミカン。どこかに県内での「最初の一本」が存在するはずだ。宇和島市吉田町玉津の県みかん研究所に連絡してみると、近くの立間地区にあるという。早速、ハンドルを握った。

 

■愛媛ミカンの原点を探して

 

 JAえひめ南の職員の軽トラックに揺られながら、狭い農道を上がっていく。周囲の山々にはミカンの木が整然と並び、オレンジ色に染まっている。収穫最盛期だ。道中、「愛媛みかん導入者 加賀山平次郎生誕地」と彫られた石碑が姿を現す。ここが、愛媛における温州ミカンのスタート地点。加賀山家2代目の平次郎が江戸時代に高知県から苗木を購入して、畑に植えたことが始まりとされる。そこから、地域内外に広まり、現在のかんきつ王国・愛媛の礎を築いていった。

 

 そのミカンの木が残っていればもちろん、県内最古の木のはず。加賀山家8代目の東喜雄(ときお)さん(79)とともに急傾斜のミカン山に入っていくと、柱とチェーンで囲われた1本の木が登場。待遇の違いは明らかで、日差しに照らされた果実がより一層輝いて見える。これが、最初の木なんですか!? 「いや、これはその3代目。多分、数十年くらいしかたってないかな」

 

 東喜雄さんによると、200年以上前に植えた最初の木は100年弱で枯れ、接ぎ木をして残した2代目も今から数十年前に同じように枯れてしまったという。目の前にある3代目はまだ樹齢では半世紀もたっていない。県内最高齢のミカンの木ではなさそうだ。無念。

 

■126歳のミカン

 

 ただ、2代目は126年も生きたそうで、東喜雄さんが当時の様子を教えてくれた。

 

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