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2022
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愛媛国会⑤ 伊方原発の今後は?エネルギー政策を問う。

愛媛新聞社編集局長 池田正人

 政府は2050年に温室効果ガスを実質ゼロにするカーボンニュートラルを掲げました。実現のハードルはかなり高いものですが、そういう意味では再生可能エネルギーの比率の引き上げが欠かせません。比率の引き上げに必要な施策というのは何でしょうか。また、愛媛にも立地している原発をどのようにしたらいいのか、そういう観点で所感をお聞かせいただきたいと思います。

愛媛1区 塩崎彰久氏(45)自民新

 

 これからのエネルギー政策をどうするかというご質問かと思います。これ実は本当に日本の国策のこれから一番大きなテーマの一つになってくるんじゃないかと思っています。エネルギーという問題は、これからの経済の成長力、そして安全保障の観点から、そして環境問題という観点から、いろんな側面からのすごい複雑な連立方程式になっている課題で、どの国もですね、まだどういう方向に進むか、色んな国内での議論をしながら迷っている。それこそ、愛媛県の真鍋先生の論文が予言したようにですね、CO2が2倍になると、気温がどんどん上がっていってしまう。そういう世界を私達はまだ、まさに今生きているわけで、実感としてもですね、やっぱり年々集中豪雨が増えていて、市内を歩いててもいろんなところで、「裏山が土砂崩れしよるけんちょっと怖いんよ」とかですね、「今後、ちょっと危ないから施設自体をもう山間地から平野部に移転します」とか、もう現実にそういう温暖化の影響ってのは出てるわけです。この流れ自体は、やっぱりこれから10年20年、国際世論としては変わらないであろうと。ここに対しては、国際的にもみんなで力を合わせていく方向になっていくだろうという予測のもとで、じゃあ、日本の国策として、国益としてどうなのかということを考えていかなければなりません。

 再生エネルギーというものが、やはりどんどん技術進歩によって、かつてよりもコストがどんどん下がってきてるんですね。私が弁護士として取り扱った案件の中でも再生エネルギーの、例えば太陽光、風力、こういったものの誘致案件ですとか、開発案件が結構あります。ただ、実際には、この太陽光に適した立地というのは、もうほとんどなくなってきていて、もう太陽光パネルが建ってしまっているか、なかなかそういった形で規制があって運用できないとか、そういった状況になっている所もあります。海洋風力、そういったものも日本の自然環境の中だとなかなか国際的に競争力を持つことができない。ですので、これはなかなか政策的にスパッと言い切れればいいんですけれども、いろんなこの再生エネルギーのツールを少しずつ動かしていきながら、増やしていくと同時に、今ある日本のエネルギーもやはり使えるものは使っていきながら、徐々にシフトしていくという。この方向性というものが、私は日本にとっては現実的かと思っています。

 そうした中で、原発まさに伊方を抱える愛媛県の私達にとってはとても大きな問題です。私は実は福島原発事故が起きた時に民間の立場で政府の対応を検証させてもらった民間事故調のメンバーをしていました。当時の菅直人首相から皆さんにインタビューさせていただいたんですけども、やはりその時もですね、最悪の事態への想定というのは甘かったというお話が、関係者がたくさん聞かれました。この今回のコロナもまさにそうなんですけども。やはりこのメリットはあるけども、一定のリスクを伴う原子力というエネルギーを、しっかりと安心感を持って使っていくためには、私達がそのリスクについて、ちゃんと熟知をして、そして危機に備えをしていかなければいけないと思っております。今もう本当に世界でも最も厳しい安全基準を入れて、この福島の教訓を生かしながら、再稼働をしていこうとしている。常にその想定に抜けがないか、甘さがないか、そういったことを見ながら。またその計画は良くても、実際のオペレーションが間違ってるっていうことがないかどうかを厳しく見ながら原発をしっかりと安全に、安心感を持って動かしていく。そうした中で徐々に再生エネルギーの割合を高めていく。こういった方針を日本は進めていくべきだと思っています。

愛媛2区 村上誠一郎氏(69)自民前

 

 本当にエネルギー政策ってのは非常に難しくてですね。まず原発についてはね、もっと本当に安全かどうかをね、きっちりチェックをもう一回する必要があるんじゃないかと思うんですよね。安全であれば結構ですけども、やっぱり、東日本大震災であれだけ安全神話に基づいているものとして、ずいぶん後押ししてきたわけですけど。あれを見ると、特にシビアアクシデントの対応なんかもですね、きちっとできるのかどうか。もう一回、再確認する必要がある。特にあの、伊方の先にですね、愛媛大学の学長さんだった方が「断層がある」というのお話もあるんでね、そこらへんをもう一回ね。

 もう一つですね、使用済み燃料棒の最終処理が本当に日本できちっと対応できる場所を確保できているかどうかなんですよ。それで、北欧の方は岩盤がしっかりしているから、それをくりぬいた穴に置いておけば何万年も保存が利くと言うことで、それを小泉さんが非常に危惧されたんだと思いますけど。その使用済み燃料棒の最終処理までのコストを考えた場合に、本当に原発のコストパフォーマンスとして安いのか。もう一回ね、きちっとコスト計算する必要があるんじゃいかと思います。

 また、再生可能エネルギーが非常に難しいのは、太陽光でも風力でも、電力の安定化を考えた時に、いつもカンカン照りだといいんだけど、そうとは限らないし、風力も色々格差があるんでね。そこら辺をどこまでね、技術力というか、科学力で平準化できるか。そこら辺ももっと一生懸命、知恵や力を出す必要があるんじゃないかなと思います。とにかく、自分は与党だから言いづらいんだけど、いとも簡単にね、菅さんは2050年のときにね、そのゼロにするなんてね、いとも簡単に言っちゃうんだけど。それはもうちょっと具体的なプロセスというか、それをもっとね、私はもう1回練り直す必要があるんじゃないかと。言うのは簡単ですけどね。一挙に50年まででやれるかどうかというね、一つ一つのプログラムというか、いついつまでにこうするとかね、もうちょっとそのきめ細かいプランニングが必要じゃないかなと、そういう風に感じています。

愛媛3区 井原巧氏(45)自民新

 

 まさにエネルギーっていうのは、3+Sっていうくらい、まずは最大の安全性ですよね。だけども、安定性も必要だし、経済性も、効率性も必要だと。こういう風な中で、本当に副次的な方程式ですよね。カーボンニュートラルっていうのは環境面での方程式の解として、2050年までにやっていきましょうと。だけど、それだけが解じゃなくて。実は経済性からいうと、やはりこれぐらいのエネルギー料金で、経済の活性化をしなきゃならないという当然目標もなければならない。爆発的に値段が上がったんでは、意味がない。今度は安定性、これ再生エネルギーというと、太陽光とか風力とかには安定性が欠ける。水力はある程度、安定性は唯一、再生エネルギーの中では獲得できます。しかしそれは、大きな大きな物が必要になってくるから、技術革新をどれだけいかに進めていくか。特に蓄電池ですよ。それがある程度、かなりの物が、それこそノーベル賞になると思いますけど、それがしっかりできるまでの間は、ある程度、それを方程式の中で見合いをしながら、特にそのカーボンニュートラルははっきり目標を出してますから、その化石燃料にも限界があります。そういう中ではですね、最大限に先ほど塩崎先生がおっしゃったような世界最高レベルのやっぱり安全基準の中での、原発の活用っていうのは、これはやっぱりせざるを得ない方向なんだと思うんですね。だけどもできるだけ技術革新を急いで、いかにそれを少なくしていくか。ちょうど私は実は同じように、あの福島第1原発の廃炉汚染水の担当政務官をやらされてて、事故の大きさとか悲惨さは目の当たりに私も見てますから、どれだけその安全性を厳しく、そして稼働させながら、しかし、同時にやっぱり再生可能エネルギーを、どれだけのものを進めていけるか。

 もう一つカーボンニュートラルということです。もう一つ目線を変えるとですね、そのカーボンニュートラル、カーボンプライスっていう言葉があるように、新たな価値なんですよ。これは愛媛にとってはひょっとしたらチャンスかも。例えば今まで山の値段は、土地の値段とそこに植わっている木の値段で、山の値段、価値はあったんですよね。だけど、新たにカーボンプライスが付くわけだから、CO2吸収量とかがさらにクレジット化されるわけですよね、価値化されるわけですね。それはひょっとするとですね、我々のように田舎で森林が多い地域は、逆にビジネスチャンスとか、新たな産業の創出とかに入っていける可能性もあるから。この苦しい、高い目標ではあるけども、このカーボンニュートラルの時代を見据えて、ちゃんと地方の現場もしっかり取り組めるような、我々国政の支援が、ぜひこの時には、急いで取り組むべきじゃないかなと。真鍋淑郎先生は私の、我がふるさと新宮村で思いますが、その技術革新っていうのは、例えば青色発光ダイオードは大洲だし、大江健三郎先生も内子町。やっぱり、まさに自然の大地の中で育まれた人っていうのが、ノーベル賞3人愛媛県で受賞されてて、まさに田舎っていうところは、そういうクリエイティブな人材を生み出す所なんでね。このカーボンニュートラルは、まさにそのビジネスチャンスになるので、ぜひそういう技術革新を地方で進められるようになるといいなと思っています。

愛媛4区 長谷川淳二氏(53)自民新

 

 エネルギー政策、難しい問題ですけど、日本は天然資源が乏しい国ですから、いかにエネルギー経済の血液である電力を安定的に、しかも安い価格で、電力浪費を抑えながら供給するのが至上命令。その中で、様々な組み合わせ、最適解をずっと模索をしてる状況なんですけども、そのカーボンニュートラルの流れの中で、温暖化防止対策のため、再生可能エネルギーをやはり主力で。これは、もう間違いない方向だと思います。特に私は、先ほど井原先生が言われましたように、小水力とかをもう少し技術革新で使えるようにする。あとやはり木質バイオマス、森林資源を活用した発展をすることによって、カーボンニュートラルにも寄与しますし、今、産油国に石油を依存している、石炭を依存していると。富がそちらに流れていくのを、今度は日本の富が地域の中で回っていく。森林資源を自分たちで買って、自分たちで消費をして発電をしていくことによって、エネルギーの地産地消、経済の循環。そうした意味でも、やはり木質バイオマス発電を、技術革新を進めながら、より拡大していく必要があると思います。

 そして原子力発電の課題ですけど、これは四国唯一の原発立地地である伊方の地域の代表として、本当に最重要課題だと思います。私は愛媛県で副知事時代に、福島第1原発の事故を受けて、全国で初めての原子力防災訓練を中で指揮してやらせてもらいましたが、その原発立地地域としての思いや、安全性に対する懸念に対して迅速に対応していく。そうした信頼関係が何より大事だと思います。愛媛県は、いわゆる愛媛方式ということで、どんなに小さい事象でも、国を通さずに直接地元に情報提供していただき、そうした意味で四国電力との信頼関係は築かれてると思います。ただ、安全対策に終わりはありません。例の新たな知見、世界最高水準の規制基準をさらに不断に見直しをしながら、原子力発電の安全性を確保して、不断に追い求めていく必要があると思います。その点で、安全性の確保を大前提として、その地域の信頼・理解も大前提に、原子力発電所と向き合っていく必要があると思います。これは、ベースロード電源としても、活酸素の電源としても、原子力に向き合っていく必要があると思います。あとあの、核燃料サイクルの問題も難しいものであります。ただ、伊方も今、1号機、2号機は廃炉しています。どんな形であれ、原子力の技術をしっかり継承していってさらに発展していくということを日本国内でやっていかないと、この原子力政策というのもあるんですが、それだけは絶対間違いないですから、その原子力に対する不断の研究開発投資、原子力に対する人材確保、そうしたことをしていくことが何より重要だと思います。

比例四国 白石洋一氏(58)立民前

 

 はい。温暖化を止めるということですね。我々の世代にしても、次の世代やその後のことを考えると、もう本当に居ても立ってもいられない。息するのが苦しくなるんじゃないかと思うんですね。人間の生存に関わってる。そういうことをですね、自分たちの子や孫の世代にさせたくないということで、これはあらゆる努力を払うべきだと思います。その中で、再生可能エネルギーの可能性をですね、まだまだ高めるということです。いろんな制約がかかってますけども、それは固定買取制度というものがありますから、これによって誘導していってですね。それを今は電気の使用者にですね、負担をしてもらってますけども、これはですね、もう少し考えた方がいいと思います。つまり自分の住宅の屋根に、ソーラーパネルがある所というのは、比較的裕福な方が多いわけですね。むしろ、そうじゃない家庭の所は、ソーラーパネルがないのに、そのサーチャージだけを買っている。ここは考え直す必要があると思います。それで、例えばカーボンプライスとかですね、将来的にはそういうものも出てきて誘導のツールってのは増やしていくべきだと思います。

 加えて、そのベースロード電源という意味では、なかなか再生可能エネルギーというのは厳しいところがある。そういう意味では、蓄電池ですね。蓄電池の可能性をもっと追求すべきだという風に思います。新居浜に新しいですね、蓄電池の部材を作るところ、工場投資するということがありましたけども、そういったことは民間だけじゃなくて、国としても後押していくということが大事だと思います。そして原発ですけども。原発は事故した時の破壊力はすさまじいものがありますし、そのこと損失っていうのも膨大です。それを発電価格という意味ではですね、可能性を掛けるので、小さいのかもしれませんけども、そこはやっぱり人類への責任という意味でですね、重視すべきだと思いますね。その意味で、今の安全基準というのですね、国の方で最高水準と言ってますけども、さらに上乗せすべきだと思います。特に伊方原発は、一応、中央構造線という断層が走っているということ、そして南海トラフ大地震がこの30年で7、8割の可能性で起きるということ。こういったことも含めてですね、慎重に考えていく。加えて、その中の原発だけじゃなくて、外の避難訓練もですね、実質的に可能なのかと。佐田岬は避難がしづらい地形だと思います。ここも訓練によってですね、ちゃんと逃げられるということは、担保していかないといけないと思います。それから、あとは40年という使用年限というのが一応決められています。しかしそれを超えての認可というのが、他地域ですけどもありますが、これは本当に大丈夫なのかなという危惧を持っています。ここについてもですね、科学的な根拠っていうのを、もっと集めるべきだと思います。間違いがあっては本当に困ります。そこの点も本当。

 それからですね、この大きな流れの中で、石炭火力っていうのは縮小の方向にあると思います。そこにアンモニアとか、あるいは水素を混晶するということで、それを乗り越えようとしています。そのエネルギーシフトの中で、原発にせよ、そして石炭火力にせよ、そこで働いてらっしゃる方がいらっしゃる。そういう方々の雇用はどうなるのかということ。それは四国電力さんだけじゃなくて、そこの関連とか、あるいは下請けとかの方々。裾の尾が広い訳ですね。そういったところの雇用も、ちゃんと考えないといけないですし、廃炉ということであれば、技術者の確保ということも考えておかなければなりません。そこで働いてらっしゃる方、電力会社だけじゃなくて、その関連の所も含めてちゃんと支えていく必要がありますし、それは国の責任だと思います。

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