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2度挙式延期、ついに(信濃毎日新聞)

2021年9月5日(日)(友好社)

2度の延期を経て挙式し、披露宴を開いた岩崎さん夫婦(中央)=6月25日、東京・豊洲

2度の延期を経て挙式し、披露宴を開いた岩崎さん夫婦(中央)=6月25日、東京・豊洲

 新型コロナウイルス感染者と日々向き合う医療従事者同士が2度の延期を乗り越えて結婚式を開く-との情報が信濃毎日新聞の「声のチカラ」(コエチカ)取材班にメールで寄せられた。送り主は新婦の父で会社員の林田清治(きよはる)さん(58)=川崎市。6月25日夜、都内の会場を訪ねると、コロナに翻弄(ほんろう)されながらも晴れの日を迎えた家族の笑顔と涙があった。

 

 レインボーブリッジやお台場を一望する東京・豊洲。会場はきらびやかな雰囲気に包まれていた。長野県高山村出身の新郎で診療放射線技師の岩崎翼さん(28)=東京都三鷹市=と、新婦で看護師の南咲(みさき)さん(26)が並んで入ると、60人余りの参列者が大きな拍手を送った。

 

 8人掛けのテーブルに4~6人ほどが着席し、皆マスク姿。お酌は控えるよう呼び掛けられた。翼さんは「感染対策を念頭に置きながら、少しでも羽を伸ばして楽しんでください」とあいさつした。

 

 2人は、翼さんの趣味のボルダリングを通じて2017年8月に出会った。19年9月17日に翼さんからプロポーズ。翌月には式場を押さえた。挙式は20年9月12日の予定だった。

 

 ところが事態は一変。年が明けると、新型コロナ感染症が全国に拡大した。南咲さんは緊急事態宣言が全国に出された同年4月には、コロナ病棟へ異動になった。

 

 医療従事者に感謝と敬意を-。感染が広がるにつれ、医療従事者をたたえる催しが広がった。「今、看護師が式を挙げていいのか」。南咲さんは悩んだ。「コロナ病棟勤務の自分が敬遠されないか」。不安も高まった。結局、5月に式場をキャンセルした。

 

 秋になると、少し感染が落ち着いてきた。「春ごろになればワクチン接種が進んでいるだろう」。こう思って再び式場を予約。今年3月12日に式を挙げることにした。

 

 だが、事態は好転しなかった。南咲さんは年末、都が開設したコロナ専用医療施設へ異動に。年明け1月に再び出された緊急事態宣言が追い打ちを掛けた。先に婚姻届を出し、招待状は送り終えたが、2月下旬、泣く泣く結婚式の再延期を決めた。

 

 6月25日は、近い日程で唯一、空いていた日だった。2人は、これで最後にしよう-と決めていた。都内などに出ていた3度目の緊急事態宣言も20日までで解除された。

 

 披露宴が終わりに近づきかけた頃、南咲さんは両親への感謝をつづった手紙を読み上げる中で、コロナと向き合ってきた日々を振り返った。「一人で亡くなっていく患者さん、やり切れない思いを抱えるご家族をたくさん見てきました。だからこそ、皆さんとこうして会えたことを本当にうれしく思います」。目には涙があふれていた。(信濃毎日新聞)

 

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