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出入り口の灰皿 なんとかならない?(山陰中央新報)

2021年4月24日(土)(友好社)

 

 「スーパーマーケット出入り口の灰皿、何とかなりませんか」との声が山陰中央新報「さんいん特報班」に届いた。元喫煙者の男性は愛煙家、嫌煙家の気持ちが分かるとした上で「お互いが気持ちよく共生できる方法はないものか」と、灰皿の設置場所や現行制度について疑問を投げ掛ける。

 

 松江市内に住む男性は、出入り口から1メートル離れた場所に置かれた灰皿を横目に「煙が嫌だ」と息を止めて入店した。コンビニエンスストアでも出入り口付近で紫煙をくゆらす人を見掛ける。一方、愛煙家にとっては吸える場所が減っており「灰皿があれば、そこで吸うのは当然の気持ち」と理解を示す。

 

 受動喫煙防止を強化する改正健康増進法が2020年4月に全面施行された。飲食店や職場、ホテルのロビーなど不特定多数の人が利用する施設は原則屋内禁煙。スーパーやコンビニも該当する。

 

 ただ、改正法の主目的は屋内の受動喫煙防止だ。屋外(施設の敷地内)に関しては、受動喫煙を避けるという管理者の配慮義務があるが、出入り口付近に灰皿を置いても罰則はない。出入り口と灰皿を何メートル離すといった距離についても触れられていない。厚生労働省健康課の担当者は「改正法の趣旨でいえば、出入り口に置いてほしくない」と述べるにとどまる。

 

 松江市内を巡ると飲食店や居酒屋は出入り口付近、コンビニは入り口から駐車スペース3台以上離した場所に設置している例が見られた。少数派だが、駐輪場の近くに設けているスーパーもあった。

 

 飲食店や居酒屋は、立地や屋外の敷地面積が関連しているようだ。市内の居酒屋経営者は「敷地内に灰皿を置かないといけないため、出入り口の目の前が公道の場合は物理的に場所が限られる。行政に喫煙場所をつくってもらわないと対応できない」と訴える。

 

 そもそも、コンビニやスーパーで灰皿を置くのはなぜだろうか。

 

 複数の業界関係者によると、たばこを吸いながら店に入らないための火消し用と、灰皿がないことによるポイ捨て防止が理由と明かす。特にコンビニではたばこの売り上げが多く、喫煙者を邪険に扱えない事情が絡む。

 

 こうした証言を裏付ける調査がある。大分県は19年9~10月、県内のコンビニ253店で、店頭の灰皿を撤去する全国初の調査を実施。だが、調査が終わっても撤去を継続したのは3割の76店にとどまった。

 

 店側からは「側溝にポイ捨てが目立って掃除が大変だった」との声が出た。喫煙する来店客には「たばこを売っているのに吸えないのはおかしい」と不評で、撤去を継続すれば客足が遠のくと店側が判断したのが理由という。

 

 一方、スーパーはやや事情が異なる。コンビニに比べ、たばこの売り上げが全体に占める割合が低いためだ。島根県東部のスーパーが試験的に1店舗で灰皿を撤去したところ、特に苦情はなく、経営者は「他の系列店でも撤去を検討したい」と話す。

 

 改正法は施行5年後の状況に応じ、必要な措置を取るとしている。受動喫煙は屋外にもあると認識し、議論を深める必要がありそうだ。(山陰中央新報)

 

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