愛媛新聞ONLINE

2021
416日()

新聞購読
新規登録
メニュー

「真剣」の大切さ 生徒に

「最後まで諦めない」誇り 春から済美高教員 元愛媛FC渡辺さん

2021年3月7日(日)(愛媛新聞)

母校の済美高サッカー部の練習を見る渡辺一仁さん。「生徒の成長を手助けしたい」と話す=5日、松山市中野町

母校の済美高サッカー部の練習を見る渡辺一仁さん。「生徒の成長を手助けしたい」と話す=5日、松山市中野町

 愛媛FCのアマチュアチームからトップに昇格し、岡山や横浜FCでもボランチとして活躍した渡辺一仁さん(34)が昨季限りで12年間のプロ生活に終止符を打った。今春から母校の済美高の教員として新たなスタートを切る渡辺さんに、現役時代の思い出や指導者への意気込みを聞いた。

 

 

 

【引退を決めた経緯は。】

 

 昨夏に済美高から(指導者就任の)誘いがあったが、あと1年は現役を続けて自分の決めたタイミングで引退したい思いがあった。そんな中でプロ初の0円提示を受けた。J3クラブからオファーはあったが、あと1年と決めた中、家族と離れて縁もゆかりもない土地でやっていけるか不安もあり、済美に行く方が幸せだと考えた。

 

 

 

【今の心境は。】

 

 引退直後は、もうサッカーはできないんだなと思って、Jのキャンプリポートや愛媛FCの新体制発表も見られなかったが、今は切り替えられた。済美高の指導を始めて数週間だが、頭はそのことでいっぱい。

 

 

 

【プロの12年間、相手エースを封じる「つぶし屋」としてのスタイルを貫いた。】

 

 東京学芸大時代に、何か武器をつくらないとと考え、自分は守備を苦に感じないことに気づいた。うまい選手からボールを取るのは面白く、自然と武器になっていった。

 

 

 

【影響を受けた選手は。】

 

 岡山で一緒にプレーした(元日本代表の)岩政大樹さんと加地亮さん。大学の先輩の岩政さんが「お前とやりたい」と誘ってくれて移籍を決めたし、引退まで筋肉系のけががなかった加地さんには準備の大切さを学んだ。

 

 横浜FCではカズ(三浦知良)さん。憧れだったカズさんに「ナベちゃん」と呼ばれたりして感慨深かった。どんな練習も絶対に手を抜かず一番真剣にやっていたから若手もサボれない。姿勢で引っ張る人だった。

 

 

 

【印象に残る試合や思い出は。】

 

 横浜で2018年に出場したプレーオフは一番記憶に残っている。キャリアで唯一ゴールを上げたのもこの年。愛媛ではプロ初スタメンとなった09年の札幌戦。当時コロンビアの年代別代表で、翌年にJ1ベストイレブンにも選ばれたダニルソン選手とマッチアップしたが、本当にえぐかった。つぶし屋で生きていくのは無理かもと思わされた。

 

 忘れられないのは岡山で自分のファンという小学1年生にスタッフが理由を聞くと「最後まで諦めないから」と言ってくれたこと。

 

 

 

【今後の抱負を。】

 

 済美では高校時代のコーチだった宮本敬士監督の下、指導者として学びたい。昨年急逝した土屋誠監督の奥さんにコーチ就任を報告すると、泣いて喜んでくれた。土屋先生は生徒の自由を尊重する人間的魅力のある人だった。生徒には、真剣に取り組んだからこそ得られるものがあることを教え、成長の手助けをしていきたい。

 

    おすすめ記事

    <プレスリリース>一覧

    愛媛の情報なら、愛媛新聞のアプリ。

    欲しい情報をいつでもあなたにお届け!プッシュ通知機能も充実。