オレンジの心臓 愛媛FCコーチ陣の横顔
<4>GKコーチ 川北裕介(42)=元愛媛FC選手 勝利へ責任感求め続け
2021年2月24日(水)(愛媛新聞)


愛媛FCがJ2に昇格した2006年から7年間、ゴールマウスに立った。12年に引退後、アカデミーGKコーチを経て、15年からトップチームで指導に当たる。大阪府出身だが、長きにわたって愛媛を支えている一人だ。
「勝たせられるキーパー」に育てるため、選手に投げ掛けるのは「自分で考えること」。仕事はセービングだけではない。勝つために、失点する確率をどれだけ下げられるか、そのために最後尾から何をしないといけないか。仲間を練習中からよく観察し、動かし、100パーセントの力を出させる。常に言うのは「最後に尻拭いするのはキーパーだから、覚悟を持ってほしい」。ゴールマウスを守る責任感を求め続ける。
試合中はサポーターの存在を背中に感じ、反対サイドに移れば正面から全員が見渡せる。その景色は「最高ですよ」。必死に応援する姿や熱量を常に感じてきたからこそ、思いは強い。「勝ち試合を見せたい。愛媛に育ててもらった『恩返し』という簡単な言葉だけじゃない。やっぱり結果を見せないと」