愛媛新聞ONLINE

2021
413日()

新聞購読
新規登録
メニュー

動きやすさや防寒目的 季節に応じて使い分け

女子生徒もスラックス 県内中高の制服、選べる環境じわり拡大

2021年2月24日(水)(愛媛新聞)

来春から女子制服のスラックスを導入する勝山中で、一足先に試着した女子生徒たち。「温かくて快適」と話す

来春から女子制服のスラックスを導入する勝山中で、一足先に試着した女子生徒たち。「温かくて快適」と話す

 県内の中学校、高校の制服で、女子生徒がスラックスなどの長ズボンを選択できる環境が少しずつ広がっている。動きやすさや防寒を挙げて4月に導入する中学校が数校あるほか、組み合わせが選べる制服を学校の魅力の一つとして打ち出す私立高もある。

 

 松山市清水町3丁目の勝山中学校は2021年度からスラックスを導入する。3年ほど前の女子生徒の「冬はスカートだと寒い」という声がきっかけ。ストッキング着用の実績や、全国で導入が進んでいることを踏まえ検討を重ねてきた。

 

 学校生活での長所短所を探ろうと、今年1月から生徒会役員の女子4人がスラックスを先行で着用し登校している。2年の女子生徒(14)は「卒業生の母と同じ制服のスカートを着られるのはうれしいけど、避難訓練など野外活動ではしゃがみにくくて不便を感じるときもあった」。他の女子生徒(14)は「冬になると、男子は温かい格好でいいなと思っていた。実際にはいてみると着心地も良い」と実感する。今回の着用体験を通し、着替えの際に手持ちのスカートを活用することを生徒から提案している。

 

 

 

【意見をかたちに】

 

 価格面で保護者負担を抑えるため、生地は冬服のスカートと同じ1種類のみ。1年の女子生徒(13)らは「暑い夏は、気温によって選びたい」とスカートと使い分けるつもりだ。生徒指導主事の中屋正貴教諭は「導入は、近隣の学校の教諭らとの話題にも上り、情報交換してきた。生徒の意見をかたちにできてよかった」とうなずく。

 

 制服メーカー大手の菅公学生服(岡山県)によると、同社が手掛ける愛媛県内の中学校80校(併売含む)のうち、女子スラックス採用は21年春以降8校、22年度から採用予定または検討中が計5校ある。高校は40校(併売含む)中、採用6校、検討中が5校。同社は1997年から主に防寒のため制服の女子用スラックス販売を開始した。2021年2月現在、全国の中高の約1400校が導入済みという。担当者は「ここ2、3年で全国的に増加している。愛媛でも増えてきたようだ」と話す。

 

 松山市湊町5丁目のいよてつ高島屋の制服売り場では数校の女子スラックスの注文を受け付ける。担当者によると、機運の高まりは「まだまだこれから」。「現状のブレザーなどの上着はスカートに合わせたもの。デザイン性も含めてさらに検討が必要になってくるのでは」とみる。

 

 

 

【組み合わせ自由】

 

 新たなデザインの制服を学校の魅力に掲げる高校も。同市山西町の新田高校は20年春、男女の制服を一新した。女子の制服はスカートとスラックス、ネクタイとリボンを自由に組み合わせられる。約2年かけて着心地や価格を検討し、手入れがしやすいオリジナルデザインの制服を完成させた。同校の制服検討委員会委員長を務めた玉井剛教諭は特に冬の登下校、早朝や夜の寒さ対策が課題だったと振り返る。「女性や若手教員の意見を積極的に取り入れ、これからの生徒たちが胸を張って着られる制服を目指した」と話す。実際、組み合わせを選べる制服を魅力に感じて志望した生徒もいるという。

 

 

 

【性の多様性配慮】

 

 全国で男女の性差を感じさせない制服の開発など、性の多様性に配慮した制服の導入も進んでいる。また、学校以外では女性のパンツスタイルはすでに一般的だ。「女子は絶対にスカートでなければいけない理由はない。スカートでもスラックスでも、自分に合ったものを選び、快適に過ごせたらいい」と率直に語る勝山中の成田さんは、夏はスカートを選ぶつもりだ。新田高の玉井教諭は「時代に合わせ、どんな理由であれ、できる範囲で、生徒が窮屈な思いをしない環境を整えるのが大切なのではないか」と学校の役割を説いた。

 

    おすすめ記事

    <プレスリリース>一覧

    愛媛の情報なら、愛媛新聞のアプリ。

    欲しい情報をいつでもあなたにお届け!プッシュ通知機能も充実。