Bリーグ2部・27日
愛媛OV 歓喜の延長 ホーム福岡戦118―111
2021年1月28日(木)(愛媛新聞)

【愛媛OV―福岡】第2クオーター、懸命にルーズボールを取りにいく愛媛OV・山田(右)=伊予市民体育館

【愛媛OV―福岡】第2クオーター、懸命にルーズボールを取りにいく愛媛OV・山田(右)=伊予市民体育館
バスケットボール男子Bリーグ2部(B2)は27日、伊予市民体育館などで8試合を行い、西地区最下位(8位)の愛媛オレンジバイキングス(OV)は同地区3位の福岡に118―111で勝利した。通算12勝21敗で、順位は8位のまま。(観客133人)
愛媛OVは前半、長短のシュートを打ち分ける相手に対して山田の3点シュートなどで接戦を展開し、42―49で折り返した。第3クオーターは山田、フェルプスのシュートなどで一時逆転に成功したが、その後も接戦が続き、88―88で延長戦に突入。最初の延長5分では決着がつかず、2度目の延長でエリスや俊野佳のフリースローなどで勝ち越した。
次戦は30日午後6時から佐賀県のSAGAプラザで佐賀と対戦する。
【激闘制す ルーキー山田主役】
2度のオーバータイム(延長)に突入する激しい接戦を制した愛媛OV。総力戦の中、存在感を放ったのがルーキーの山田だ。約21分のプレータイム、計18得点はいずれもキャリアハイ。若い力がチーム全体に波及した結果の勝利だった。
第1クオーター、劣勢の場面でコートに立った。「山田がいいプレーを見せればチームの雰囲気が変わる。それを狙った」と庄司HC。起用に応えて前半は3点シュートを3本沈め、上位チームに食い下がる原動力となった。
ポジションを変えて出場した後半は、果敢にドライブでリングに迫った。ファウルを受けながらシュートを決めるバスケットカウントを2回成功。7アシスト、3スチールもマークしたが、観客を沸かせ、チームのムードを盛り上げたのが一番の功績だろう。
「身長がないので、いつもアグレッシブにプレーしようと意識している」と山田。ルーキーらしく、泥くさくボールに飛びつく積極性を見せ、ベンチではいつものように大きな声で仲間を鼓舞した。この試合のMVPにも選ばれ、コートとベンチの両方で常に主役を演じた。
ただ、脚を痛めて途中でベンチに戻ったのには悔しそうで「最後にコートに立っていることに価値がある。延長は先輩がいいプレーをしていて、すごさを感じた」と語る。試合中は明るい笑顔がトレードマークになりつつあるが、最後は「今日だけで終わらないように、これからも自分にできることを探してチームに貢献したい」と表情を引き締め、次戦に気持ちを向けていた。