アフターコロナを見据え魅力創出
ノスタルジックな屋台新設 道後温泉の老舗旅館・大和屋本店の挑戦
2021年1月26日(火)(愛媛新聞E4編集係)

大和屋本店 地下1階湯上りBAR屋台イメージ

大和屋本店 地下1階湯上りBAR屋台イメージ
宮崎駿監督のアニメ映画「千と千尋の神隠し」の温泉宿のモデルとなったと言われる愛媛県松山市の道後温泉本館。そこに近接する老舗旅館・大和屋本店(松山市道後湯之町)に、同映画に出てくるような屋台「大和屋台」が1月30日、オープンする。新型コロナウイルスの感染拡大で、宿泊客が激減する中、「アフターコロナを見据えて、新たな魅力を創出したい」(大和屋本店旅館・奥村勇太専務)と「日本酒Bar」と「駄菓子Bar」の屋台を新設し、子どもから大人まで楽しめるノスタルジックな空間が生まれる。


新型コロナ感染拡大で春先から、道後温泉も宿泊客の脚が遠のいてしまった。観光支援事業「Go To トラベル」で、持ち直したのもつかの間、さらなる感染拡大で同支援事業は停止。「コロナ前は年中無休でしたが、予約がなく、休業する日も。売り上げは70~80%減に。しかし、これまで困難を乗り越えてきた歴史がある。アフターコロナを見据えて新たな魅力を創出したいと考えていました」と奥村専務。
昨年10月ごろ、自身の会員制交流サイト(SNS)ツイッターで、「どんなものがあったら嬉しいですか」と問いかけたところ、700人以上が投票。その中で、1位が「地酒Bar」、2位が「駄菓子屋」。「お客様が望むなら両方取り入れてみよう」と取り組み始めたという。昨年12月15日~今年1月11日、クラウドファンディングで支援を呼びかけると、124人から目標金額100万円を大幅に上回る資金が集まった。

大和屋本店 地下1階湯上りBAR屋台製作解説図

大和屋本店 地下1階湯上りBAR屋台製作解説図
「大和屋台」は地下一階の大浴場前の休憩処に設置。「宿泊客に湯上がりのひと時を、昭和の香りがする屋台でゆったりと楽しんでもらいたい」と奥村専務。屋台のドリンク、お菓子は無料で提供する。
奥村専務は、「『伝統と革新』を胸に、この屋台を永続的な魅力に育てていきたい。今回は第一弾。今後、拡張していき、『大和屋本店に行ってみたい』と思ってもらえる空間に育てていたい」と話している。