愛媛新聞ONLINE

2021
33日()

新聞購読
新規登録
メニュー

愛媛出版文化賞 受賞者に聞く

<3>部門賞/第3部門 文学 「AIロボット、ひと月貸します!」(岩崎書店) 木内南緒著

2021年1月14日(木)(愛媛新聞)

「愛媛の子どもたちに読んでもらえるように努力を惜しまず、面白いお話を書き続けたい」と語る木内南緒さん

「愛媛の子どもたちに読んでもらえるように努力を惜しまず、面白いお話を書き続けたい」と語る木内南緒さん

【科学へ興味 願い込め デビュー作 感謝と決意】

 

 昨年、児童文学を志す新人の登竜門の一つとされる福島正実記念SF童話賞の大賞に選ばれた。本書はその受賞作を改題したデビュー作。念願だった自著を手に、木内南緒さん(51)=松山市=は「地元の書店や図書館に本を置いてもらい、応援してもらった。(愛媛出版文化賞の)受賞で恩に報いることができた気がする」と感謝を口にする。

 

 主人公は、ある理由から最新ロボットを借りることになった小学4年生の栄太。エイトと名付けた優秀な分身のおかげで“楽勝の人生”を手に入れたはずだったが、次第に自分が乗っ取られるのではと不安を抱くようになっていく。

 

 読み手をワクワクさせる展開の中、人工知能(AI)は人間を超えるのかというテーマを軸にし、「未来を担う子どもたちが科学技術について考え、興味を持つきっかけになれば」との願いを込めた。2人の友情の行方は―。心温まるラストシーンが胸を打つ。

 

 普段は何かに挑戦することが好きな主婦。10年ほど前からカルチャースクールに通い小説を書き始め、家事をこなしながら入賞や単行本出版を目標に文学賞への応募を続けてきた。

 

 そうして切り開いた作家の道。ただ、ほおずりしたくなるほどいとしいデビュー作が書店に並んだ日、芽生えたのは思ってもみない感情だったという。「たくさんの作品の中から手に取ってもらえるのか。うれしさよりも緊張感や責任感。大海原に放り出されたような気分でした」

 

 自由な創作活動を航海に例え、こぐ(書く)力をさらに身につけたいと決意を新たにする。「執筆は時に孤独で苦しい作業でもある。それでもやめられない魅力があるんです」。押し寄せる荒波をも越え、これからも愛される物語を紡いでいくつもりだ。

 

    真相追求 みんなの特報班

    おすすめ記事

    <プレスリリース>一覧

    愛媛の情報なら、愛媛新聞のアプリ。

    欲しい情報をいつでもあなたにお届け!プッシュ通知機能も充実。