全国高校バスケ 県勢敗退
女子・聖カタリナ夢散る 安城学園に67―93
2020年12月26日(土)(愛媛新聞)


バスケットボールの全国高校選手権第3日は25日、東京体育館で行われ、愛媛勢は女子3回戦に臨んだ聖カタリナ学園は安城学園(愛知)に67―93で敗れた。
【評】昨年8強の聖カタリナ学園が3回戦で姿を消した。
序盤は西村のシュートなどで接戦となったが、第2クオーター中盤から3点シュートを続けて決められ劣勢に立った。後半も内角の主導権を握れず、ドライブを中心にした相手の攻撃で連続失点。樫本の3点シュートなどで反撃の機会をうかがったが突き放された。
【3年生鼓舞 託す4強】
2015年以来のセンターコート(準決勝以上)を目指した聖カタリナ学園だったが、持ち味の走力を生かし切れないままの力負け。主将の片松は「こういう試合で勝ちきれなかったのは悔しい。いいプレーができなかった」と声を詰まらせた。
本来はゴール下でのプレーを得意とする西村が、この日は外角周辺にポジションを取った。内角のスペースを広く空け、ほかの選手がドライブで切り込む戦略だったが、ゾーンプレスで重層的に守る相手守備に捕まった。片松も「もっとアタックする機会を増やしたかったが、強くやりきれなかった」と悔やんだ。
停滞する時間が続く中、しきりに仲間に声を掛ける3年生の斎藤の姿があった。身長158センチと小柄な斎藤は、これまであまり試合に出る機会がなかった選手。それでも誰よりもきつい練習に励み、スピードと粘り強い守備という武器を身につけた。後藤監督が「精神的支柱」と評するほど、3年間努力を怠らなかった。
「上級生になった今年に総体がなくなった。それが悔しくて、ウインターカップの試合に出て、絶対センターコートに行こうと思っていた」。今大会は3試合とも体を張ってボールに飛びつく気迫でチームを鼓舞。速さを生かして速攻の起点になるなど、コート内外で存在感を発揮した。
斎藤は「センターコートに行けなかったのは、まだ足りない部分があったということ。悔しいが、この先は後輩たちに託したい」と語り、新チームでの悲願達成を願っていた。