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看護に介助 心身疲弊

新型コロナ 第3波 県内医療、高まる緊張 専門性ある人員 不足

2020年12月25日(金)(愛媛新聞)

 

 新型コロナウイルス感染拡大の第3波が県内にも押し寄せる中、医療現場の緊張状態が続いている。近隣県を含め各地で感染拡大に歯止めがかからず、24日も県内で新規事例の確認発表が2件あった。定例会見した中村時広知事は「(医療現場などの)負荷を下げるには感染者数を減らすしか方法はない」と重ねて強調。さらなる感染拡大を懸念する県内の医療現場は「ベッドがあっても専門性を持った人員が足りない」と危機感を募らせている。

 

 

 

【入院60代以上6割】

 

 県内では11月に発生した六つのクラスター(感染者集団)を中心に感染者が急増し、1カ月で計204人の感染が判明。県が11月23日に無症状者の自宅療養を始める前には一時70人超が入院対象となり、患者が集中した中予の医療圏では「あっという間に逼迫(ひっぱく)した」(現場の医師)。クラスターのうち二つは高齢者施設での発生で、医療現場に負荷がかかりやすい状況になった。

 

 感染症病棟では出入りする人数を極力減らすため、掃除や身の回りの世話などの負担も看護師に集中する。特に高齢者は介護を要したり、基礎疾患があったりする場合があり、ある指定医療機関の関係者は「中等症や軽症でもケアには手がかかる」と指摘。密接な介助が必要な場面もあり、県看護協会の小椋史香会長は「自身や周囲への感染リスクに気を配りながらの業務は、心身ともに疲弊する」と推し量る。

 

 現場の医師は入院に伴う高齢者の筋力低下や衰弱による影響を心配。寝たきり生活で自力での食事や活動が難しくなると元の施設や自宅に戻れなくなる場合もある。「感染力がなくなれば適切なケアができる医療機関などにつなげたいが、不安や抵抗感からか行き先が見つからず退院できない例がある」と明かした。

 

 県によると、入院患者はピーク時よりは減ったが、24日時点で60代以上が約6割を占める。中村知事は「(医療従事者は)より神経をすり減らしている状況ではないか」と現場の苦境を訴えた。

 

 首都圏などの感染拡大地域では、通常医療に影響が及ぶ「医療崩壊」の言葉が飛び交う。県内もそのリスクとは無縁ではなく、県立中央病院(松山市)は11月の感染者急増を受けて診療機能の一部縮小を発表。愛媛大医学部附属病院(東温市)も紹介患者受け入れの抑制を周知した。感染症対応に備え、人員や病床の調整が必要になるためだ。

 

 現在、救急対応などに影響は出ていないというが、感染者を受け入れる指定医療機関は地域医療の中核でもあり、医療資源は限られている。複数の医療関係者は「新型コロナの重症者が急増すれば、県内の集中治療室の対応能力に限界がくる」と懸念。このところ近隣の高知や広島、岡山の各県で感染者が急増しており「愛媛で同じ事態にならない保証はない」。

 

 医療提供体制を守るには、高齢者施設や医療機関での感染拡大防止が鍵となる。愛媛県は施設がサービス利用者らの体調不良を確認した場合、基礎疾患の悪化と考えず、必ず医師に相談するよう呼び掛けている。会食や家庭内の接触から感染が連鎖した例が県内でも散見され、軽症や無症状が多い若い世代の対策も不可欠だ。年末年始に際し世代や場面を問わず、一人一人の感染予防策の徹底がこれまで以上に重要性を増している。

 

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