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蒼天の初航海 FC今治 J3 1年目総括

<3>コロナ下の運営 観客数打撃 支援に感謝

2020年12月25日(金)(愛媛新聞)

謝恩会であいさつする矢野将文社長(中央)=21日、今治市別宮町1丁目

謝恩会であいさつする矢野将文社長(中央)=21日、今治市別宮町1丁目

 新型コロナウイルスの影響は、ホーム戦の運営を担うバックオフィスにも及んだ。矢野将文社長は「今季のスローガン『深化成長』の意味を痛感する1年だった。いろんな方に支えられ成長させてもらった」と振り返る。

 

 クラブの今季の総予算は約9億円。主な収入源のスポンサー収入は当初予算(約5億2千万円)を達成する見込みだが、入場料収入は「半分以下」と大幅減を余儀なくされた。

 

 試合運営以外では、アカデミー、スクール事業や社会人向けの研修事業も、コロナ禍で長らく実施できず事業収益は減少。一方、オフィシャルグッズなどの物販はネット販売が好調で予算比プラスを見込む。

 

 矢野社長は「収入の減少幅に比べて諸費用の減少も大きく、黒字での着地を見込んでいる。ファンの皆さんにグッズを購入してもらい、パートナー企業からは予定通りの資金を拠出していただき感謝しかない」と語った。

 

 最も打撃を受けたのがホーム戦の観客数だ。入場制限は段階的に緩和されたものの、約5千席のありがとうサービス.夢スタジアムでは第2節まで無観客、9月末までは上限を1500人、10月以降は2300人とする運営を迫られた。

 

 Jリーグでは集客率80%を超えれば満員の扱いになり、FC今治のホーム戦では「満員御礼」の旗を掲げるのが恒例だ。今季5回あった満員のうち、最多は最終節の相模原戦の2139人だった。日本フットボールリーグ(JFL)に所属していた昨季の平均入場者数が約3100人だったことを鑑みれば、影響の大きさがうかがえる。

 

 開幕前に約1200人が購入済みだったシーズンパスも、日程変更で平日開催が増えたことを考慮し「ファンとの信頼関係を大事にするため」全額返金の対応を取った。

 

 試合会場では入場口での検温、消毒はもちろん、声を出しての応援や鳴り物の使用禁止を呼び掛け「ファンの皆さんに理解、協力してもらった」と矢野社長。従来の観戦スタイルは取れなかったが「選手や監督の声がよく聞こえるのは、ピッチと距離が近い夢スタならでは。新しい観戦スタイルが確立しつつあるのでは」と期待する。

 

 新型コロナの収束時期が見通せない中、来年3月には新シーズンが開幕する。来季終了後はJ2から4クラブが降格、昇格争いの激化が予想されることから、矢野社長は「なんとしても来年でJ2に上がらないといけない。チャンスと捉えて、昇格に向けてクラブとファンが一体となって進んでいきたい」と勝負の1年を見据えた。

 

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