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蒼天の初航海 FC今治 J3 1年目総括

<2>飛躍の後半戦 補強や柔軟な戦術カギ

2020年12月24日(木)(愛媛新聞)

終盤までJ2昇格争いに絡んだFC今治。ホームでの最終節には今季最多の2139人が詰めかけた=20日、夢スタ

終盤までJ2昇格争いに絡んだFC今治。ホームでの最終節には今季最多の2139人が詰めかけた=20日、夢スタ

 半年間で全34試合をこなすタイトな日程に、各チームともけが人が相次いだ今シーズン。試合が進むにつれて、サブメンバーも含めたチーム全体のクオリティーが問われる総力戦へと様相を変えた。その中で、FC今治はじわじわと存在感を高めていった。

 

 大きな転機となったのは前半ラストの福島戦と、後半戦初戦の鳥取戦での2連勝だ。

 

 福島戦では、チーム一の古株のDF中野(松山市出身)が初スタメン入り。「苦しいシーズンだったが、チャンスが来れば、チームに貢献したかった」と安定感のある守備を見せ、積極的に攻撃にも参加した。大卒ルーキーのDF近藤(今治市出身)も途中出場でJデビュー。出場機会のなかったメンバーが躍動し、2―0と課題だった複数得点で勝利を収めた。

 

 鳥取戦も、FW林の古巣への恩返し弾などで2得点。前半戦は成績が振るわなかったホームで強豪から初めて勝ち星を獲得し、イレブンは大きな自信を付けた。

 

 シーズン途中での補強も効果的だった。選手層が薄かったFW陣を大幅にてこ入れ。J2で実績があるブラジル人のレオミネイロ、J1C大阪で大器と期待されながら伸び悩んでいた沢上は即戦力となっただけでなく、競争激化によって既存メンバーの奮起も促した。

 

 守備陣の頑張りも見逃せない。小野剛前監督が昨季を通して磨き上げた組織力や対人の強さはステージが上がっても通用した。総失点数はリーグで3番目に少ない27点。「岡田メソッド」仕込みのポゼッションとともに、堅守がJ1年目の躍進を支えた。

 

 リュイス監督は「われわれはJ元年の挑戦者。試合のたびに学習し、成長しなければならない」と繰り返し語った。対戦相手の弱点を入念に分析した上で、ポゼッションやカウンターなど柔軟に戦術を変化させた結果、後半戦の成績はリーグ4位となる9勝3分け5敗(勝ち点30)と勝率を上げた。

 

 ただ、チームが3連勝を達成できたのは1度だけ。もう一つ波に乗りきれなかった印象だ。大きな要因は得点力不足。今季の総得点39は上位10チーム中で最少。来季に大きな課題を残した。

 

 とはいえ、シーズン最終盤まで昇格争いに絡み、ルーキーイヤーで7位に入ったことは誇れる結果だ。岡田武史会長は「J3滞在2年でJ2昇格」とロードマップを描く。来季の実現へ、大きな期待を抱かせる充実した1年目だった。

 

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