コロナ「シトラスリボン」活動
差別解消、郵便物に添え 伊予市と松前の14局がPRシール貼付
2020年11月14日(土)(愛媛新聞)

シトラスリボンプロジェクトへの賛同を呼び掛ける岡田郵便局の大西局長

シトラスリボンプロジェクトへの賛同を呼び掛ける岡田郵便局の大西局長
新型コロナウイルスが拡大する中、感染者らへの差別解消を目指す「シトラスリボンプロジェクト」が郵便局でも広がりを見せている。伊予市と松前町の計14局は10月中旬から、リボンを描いたシールを郵便物に貼付するなどの取り組みを始めた。県内はもちろん全国に届く特性を生かし、愛媛発の活動を広く発信しようとしている。
シトラスリボンは、松山市の市民グループ「ちょびっと19+」が提唱した。伊予市と松前町の郵便局でつくる伊予部会はイベントを毎年開催していたが、今年は新型コロナの影響で中止に。代わる活動としてプロジェクトの推進を決めた。
松前町では4月に初めて感染者が確認された。部会長を務める岡田郵便局(松前町昌農内)の大西祥一局長は「誰が感染したのか知らないか」と尋ねられることがあったという。「感染者が悪いわけではない。これでは暮らしにくくなってしまうと感じた」と大西局長。この思いが行動の一因になっている。
シールは縦約4センチ、横約8センチ。宅配便「ゆうパック」などを持参した顧客に趣旨を説明し、了承を得られたら貼付する。「ちょびっと19+」のサイトにつながるQRコードを付け、関心を持った受け取り側が理解を深められる工夫も施した。貼付枚数はスタートから16日間が経過した時点で、560枚に達したという。
局内にA3判のポスターを掲示しているほか、オリジナルフレーム切手の発行準備も進めている。
大西局長や部会メンバーは「シトラスリボンを知らない人がまだ多いが、話をすれば『いい運動ね』と賛同してもらえる。送り手がいれば、受け取り手がいるのが郵便。共感者を倍に倍に増やしていければ」と励んでいる。
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