2004年以来の無投票
西条市長選 無所属現職の玉井敏久氏が再選
2020年11月8日(日)(愛媛新聞)

無投票当選を決め、万歳する玉井敏久氏(左)=8日午後5時25分ごろ、西条市新田

無投票当選を決め、万歳する玉井敏久氏(左)=8日午後5時25分ごろ、西条市新田
8日、告示され、現職の玉井敏久氏(57)=無所属、同市丹原町高松=のほかに立候補の届け出がなく、無投票で再選が決まった。市長選は2004年の2市2町合併により新市が発足して以降5回目で、無投票となったのは合併時の04年以来。
玉井氏は2期目の公約として、市全域での地域自治組織の設立▽移住・定住策の促進▽台湾との経済連携や交流推進▽公共施設の再編整備▽市役所の窓口業務改革―などを掲げている。今年8月の再選出馬会見で発表した。
告示後の8日朝、同市中野の伊曽乃神社で出陣式を開き、支援者約150人に「暮らしの向上、西条の発展に向け、次の4年間もチャレンジさせてほしい」と第一声を上げた。
無投票当選が決まった午後5時、市内街宣から同市新田の選挙事務所に戻ると、集まった支援者から拍手で迎えられた。「課題は多いが、皆さんと一緒に歩むことでパワーになる。エンジン全開で頑張る」とあいさつし、万歳三唱をして喜んだ。
16年の前回市長選で、新人候補として出馬した玉井氏は、現職らと三つどもえの激しい選挙戦を繰り広げて当選。今回も県議時代から支援を受ける連合愛媛に加え、故伊藤宏太郎・元市長を支援していた自民党系の市議や県議の応援を取り付け、態勢を整えていた。安定的な市政運営の継続が2期目の課題となる。
1期目には県営黒瀬ダムからの松山分水問題について「応じることは困難」との回答を県に提出し、長年の懸案に区切りを付けた。レジャー振興にも力を入れ、道の駅を改修したアウトドアオアシス石鎚(同市小松町新屋敷)を整備。久万高原町などと設立した第三セクター「ソラヤマいしづち」を介してアスレチック施設「フォレストアドベンチャー・西条」(同市河之内)を誘致した。
【玉井敏久(たまい・としひさ)】西条高卒。1982年に四国電力入社。労組専従を経て2007年に県議選初当選。3期目途中に辞職して出馬した16年11月の市長選で初当選した。57歳。西条市生まれ。丹原町高松。
◆コロナの傷 回復に総力◆
【玉井敏久氏の話】新たなスタートとして身の引き締まる思いだ。まずは新型コロナウイルス禍で傷んだ社会や経済の回復に総力を挙げて取り組む。人口減少は地域活力をむしばむ大きな課題であり、産業活性化に力を入れ、福祉や教育の充実につなげたい。