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背景に支援中止・減収

新型コロナ拡大後、産後うつ倍増か 筑波大調査

2020年10月25日(日)(愛媛新聞)

 出産後の女性の約10%がかかるとされる産後うつが新型コロナウイルス感染拡大後、愛媛県を含む国内全体で倍以上に増えている可能性があることが24日までに、松島みどり筑波大准教授(公共政策)らの調査で分かった。コロナ禍の不安や子育て支援サービス中止、収入減などが影響した可能性がある。松島准教授は「平常時以上に産後の細やかなケアが必要なことが示された」としている。

 

 調査には助産師と子育て関連企業2社が協力。緊急事態宣言が解除された直後の5月31日~6月6日と、10月8~12日の2回、2社のメールマガジンを受信する妊産婦に任意でアンケートした。医療機関で産後うつの可能性を調べる際に用いる「エジンバラ産後うつ病自己評価票」に基づき質問した。

 

 産後1年未満の母親の回答人数と、うつの可能性があった割合は、5、6月調査が2878人、約27%。10月調査は2132人、24%(速報値)。平常時の産後うつ罹患(りかん)率(約10%)の2倍以上という高い割合となった。

 

 また10月調査で「抑うつ状態と感じるかどうか」を質問したところ、うつの可能性がある産後1年未満の母親のうち「感じる」と回答した割合は35%にとどまった。松島准教授は「精神疾患と無関係だった人は自分のうつ傾向に気付きにくいといわれる。コロナ禍で行政の子育て支援サービスが減少する中、家族の気付きが一層重要」と強調している。

 

 うつの可能性がある産後1年未満の母親のうち、コロナ禍で「家計の収入が減少した」は約36%。「電車での移動中も含め、子どもを公共施設などへ連れていくことへの批判を経験した(批判されているように感じる他者の振る舞いも含む)」は21%に上った。今後、詳細な統計分析を行う予定だが、いずれもうつ傾向との有意な相関関係が示される見通しという。

 

 松島准教授は「子育てする人が経済的にも社会的にも生きづらい社会になっていて、コロナ禍がそれを助長している恐れがある。社会全体で支援を」と呼び掛けている。

 

 

 

◆増加 災害と同程度◆

 

 【産後うつに詳しい東京情報大の市川香織准教授(母性看護学)の話】 予測はしていたが、深刻に受け止めている。東日本大震災など災害時と同程度の増加結果だ。行政は訪問や電話相談、産後ケアを積極的に行う必要がある。出産後、女性は意識的に休息を取り、相談して支援を受けてほしい。

 

 

 

◆里帰り出産難しく◆

 

 【愛媛助産師会の井伊貴子会長の話】 県内でも里帰り出産がしづらくなり、両親学級などの集団指導が中止となって母親へのサポートが減り、うつの引き金になったケースはあると思う。全国と比べて愛媛の感染状況は落ち着いているが、冬場にかけて感染拡大もあり得る。母親のメンタルヘルスに注意が必要だ。

 

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