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高校野球県夏季大会

大会を振り返って 真剣勝負 球児の節目に

2020年8月10日(月)(愛媛新聞)

 

 球児の目標であり、練習に取り組む原動力だった「甲子園」。優勝の先にそれのない異例の大会を開催する意味を考え、開幕前から取材に当たった。当初想定された「記念試合」の色合いを排した真剣勝負の舞台は、高校生にとって意義深かったと思う。

 甲子園中止のショックはやはり大きく「チームがバラバラになった」と語る主将がいた。3年生を見て「牙が抜かれたよう」と表現する指導者もいた。そこから本音をぶつけ合い、再出発した過程は、現3年生にしかたどれなかったもの。別チームの主将は「特別な経験をした。この先につなげていきたい」と前向きに語った。

 また、ある指導者は大会の意義について「3年生にけじめをつけさせてやること」と話した。試合後の球場の外で敗れたナインが保護者の前に整列し、これまでの支えに涙ながらに感謝を伝える光景を今年も何度か見た。積み上げてきたものを出し切る節目があったからこそだろう。

 過去に例のない状況の中、各方面と調整を重ね、大会を実現させた県高野連に謝意を示す学校関係者が多かった。一方、開催が8月になった点と、9日間で最多6試合をこなす日程には、疑問の声が上がったことも記しておきたい。

 県高野連は5月下旬の段階で、8月開催を基本線に設定。当時は臨時休校で部活動が行われず、けがや熱中症予防に少なくとも1カ月以上の練習期間が必要などの考えがあってのことだったが、当初示唆していた交流試合のような大会方式を変更し、トーナメントを採り入れた。

 7月下旬の4連休は交流戦など実戦真っ盛りとなっていた。受験優先で大会出場を見送った学校からは「8月でなければ出場したかった」という声が聞こえた。チームとしては出場したが、一部の3年生が引退した学校もある。1、2回戦だけでも前倒しするなど開催時期の柔軟な見直しができていれば、より多くの球児が貴重な経験を積めたはずだ。

 過密日程は選手の健康優先の流れに逆行する。今年はあくまでイレギュラーであり、前例としてはならない。

 けが予防の観点では今大会から「投手1人の1週間の投球総数500球以内」とする制限が導入された。試合数の多いベスト4以上のチームで見ると、1週間で383球が最多だった。指導者は上限の数字にとらわれることなく、異常を見抜く目を養う必要があるとともに、選手から速やかに報告を受けられる関係づくりが求められる。

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