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僕らの、一生の夏。

2020.8.1 高校野球県大会開幕

2020年8月2日(日)(愛媛新聞)

大きな身ぶりと掛け声で仲間を鼓舞する川之江高校の真鍋勇飛選手=1日午前、今治球場

大きな身ぶりと掛け声で仲間を鼓舞する川之江高校の真鍋勇飛選手=1日午前、今治球場

守備を終えてベンチに戻る松山城南高校の三浦勇人主将(左)=1日午前、坊っちゃんスタジアム

守備を終えてベンチに戻る松山城南高校の三浦勇人主将(左)=1日午前、坊っちゃんスタジアム

新型コロナウイルスの感染防止を呼び掛ける掲示=1日午後、坊っちゃんスタジアム

新型コロナウイルスの感染防止を呼び掛ける掲示=1日午後、坊っちゃんスタジアム

 愛媛の高校球児の「夏」が1日、幕を開けた。新型コロナウイルス禍を乗り越え、たどり着いた集大成の舞台。「成長した姿を卒業した先輩に見せたい」「待ちに待った公式戦。この学校で野球ができてよかった」。2人の3年生は特別な思いを抱き、大会に臨んだ。

 

 

 

【涙を糧に 胸張る1年間 川之江 真鍋勇飛選手】

 

 先輩の夏を終わらせてしまった―。川之江高校の真鍋勇飛選手(17)にとって十字架を背負って過ごした1年だった。

 

 2年生で1番セカンドの定位置をつかんだ昨夏の愛媛大会。準々決勝の小松高校戦は2―2で迎えた九回2死一、三塁で、自身のエラーから勝ち越しを許すと、裏の攻撃で最後の打者となった。グラウンドに崩れ落ち、最後まで立ち上がることができなかった。

 

 「この先どうすればいいか、考えることもできなかった」という真鍋選手を支えたのは当時の3年生。「逃げるなよ」。その言葉を胸に一日も欠かさずバットを振り、ノックでは今まで以上にボールに食らいついた。

 

 今治球場での今治工業高校戦は、昨年を乗り越えてほしいという監督の計らいで、同じ打順、守備位置で出場。初回に二塁打を放って先制のホームを踏み、存在感を示した。

 

 延長の末に試合に敗れ、雪辱は果たせなかったが、試合後の姿は、上級生に抱えられてダッグアウトを出た1年前とは違った。落ち込む後輩を励まし、同級生をねぎらう。涙を拭う3年生エース鎗山聡投手(18)の肩を抱き、言葉を掛けた。「胸を張って帰ろうぜ」

 

 最後の夏を終えた真鍋選手は「一回りも二回りも成長させてもらった。最後までやりきることを後輩に見せることはできた」と誇らしそうな表情を見せた。

 

 

 

【主将全力 有終の初舞台 松山城南 三浦勇人主将】

 

 松山城南高校の三浦勇人主将(18)は、最後の夏が同校ユニホームを着て初めての公式戦となった。1年生の冬に他校から転入し、1年間は公式戦に出場できず。「解禁」となった春の大会は新型コロナで中止となり「つらかったが夏を信じて踏ん張った」。

 

 だが、唇をかむ決定は続く。夏の甲子園と愛媛大会も開催が見送られた。ショックは大きかったが「このまま節目なく終わるのは悔しい」と主将として動いた。目標を失い、モチベーションが低下した3年生も多かった中、「最後までやりきりたい」というメンバーから声を掛けていき、雰囲気を変えていった。

 

 「自分に厳しいから、仲間に意見が言える」と阿保暢彦監督(47)。途中加入した選手をリーダーに据えた判断を「チームをまとめられるのは彼しかいない。主将を任せたのは間違っていなかった」と言い切る。

 

 この日は坊っちゃんスタジアムで松山商業高校と対戦し、8番センターで出場した三浦主将は2安打を記録。プレー以外でも絶えず声を出し、仲間を鼓舞し続けた。試合は悔しい逆転負けを喫したが「やれることはやった」ときっぱり。「人間としても選手としても城南で成長することができた」と上を向いた。

 

 

 

【ベンチ消毒 離れて校歌 マスク観戦 各球場 コロナとも戦う】

 

 1日開幕した高校野球県夏季大会は、日本高野連のガイドラインに基づく新型コロナウイルスの感染防止対策が徹底された。坊っちゃんスタジアムなど各球場では、試合後のベンチ消毒など例年にはない光景が広がった。

 

 グラウンドではピンチを迎えた守備側の選手がマウンドに集まる際、グラブを口に当てて話し、飛沫(ひまつ)が広がらないよう配慮。東温高校は守備を終えると、ベンチ前で手指を消毒していた。得点シーンではハイタッチを控える場面も見られ、代わりに手と手が触れない「エアタッチ」で喜びを表現した。

 

 試合後の校歌斉唱では間隔を空けて整列。ベンチでは選手らが椅子や背もたれに消毒液を吹きかけ、ペーパータオルで拭き取っていた。

 

 観客席の出入り口には消毒液を置き、感染防止を呼び掛ける掲示が至る所に。マスク着用や大声での応援禁止などを促すアナウンスも流れていた。

 

 伊予高校野球部の空野剛部長(31)は「感染防止対策は当然で、練習時から徹底していた。3年生の区切りの大会ができて良かった」と話した。

 

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