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愛媛新聞ONLINE

2020
1023日()

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愛・スポーツ(インタビュー)⑲

松山東雲アーチェリー部監督 山川厚さん(57)

2020年7月21日(火)(愛媛新聞ONLINE)

松山東雲高校アーチェリー部 山川厚監督

松山東雲高校アーチェリー部 山川厚監督

松山東雲高校アーチェリー部 山川厚監督

松山東雲高校アーチェリー部 山川厚監督

 愛媛国体(2017年)から2年。2019年の茨城国体でアーチェリー少年女子団体優勝を飾り、創部から10年越しの悲願を達成した。地元開催には間に合わなかったが、愛媛の若い選手は着実に力を付けてきた。その中核を担っているのが松山東雲高アーチェリー部だ。09年に全国高校総合体育大会(インターハイ)に初出場して以降、インターハイや国体でコンスタントに入賞者を出し、U-17(17歳以下)のナショナルチームにも複数の選手を送り出している。

 監督の山川厚さんは、競技経験ゼロから指導をスタートさせた。愛媛国体に向けジュニア選手育成を目指して07年に松山東雲高アーチェリー部ができた。その翌年、学校から突然、監督就任を命じられた。「ルールも知らないし、矢を何本使うのかさえ分からない状態だったが、『全国大会優勝』という目標だけは明確だった」。

 自身の競技歴は、中学時代にフィギュアスケート、高校と大学では器械体操に取り組んだ。同校の教員になった後も体操選手として国体出場の経験もあったが、アーチェリーは全く未知の世界。全国で大会や合宿があると聞けば、駆け付けて指導者を訪ねて回った。兵庫県の強化合宿に押し掛けたとき、シドニー五輪ナショナルチームコーチを務めた五百蔵正雄氏と出会ったことが大きな転機となった。「当時はそんな偉い先生とは知らず、疑問に思ったことを素直に尋ねると、門外漢の自分にすべて答えていただいた。指導者としての基礎を一から十まで教わった」と振り返る。

 

 15、17年には、オリンピックで数多くのメダルを獲得する強豪・韓国で合宿を敢行。そこで見た「長い距離を打つのではなく、短い距離をしっかり打たせる指導法」を取り入れ、練習場に近距離の的を多く設置した。一方、韓国では1日700本以上撃つ猛練習が当たり前だったが、けがをする選手も多く疑問を持った。「器械体操の経験から体の使い方を考えれば、撃ちすぎはマイナス。選手層が厚い韓国では次々新たな選手が出てくるが、真似てはいけない」と判断した。米国式の科学的、合理的な技術や練習法を学ぼうとクラウドファンディングで資金を集め、今年1月に米国合宿を実現。そこで学んだ筋肉の動きや心拍数を数値化したバイオテクニカルを練習に取り入れている。

 アーチェリーは心身の総合力が問われるスポーツ。不安や迷い、恐怖が最大の敵だ。選手育成で大事にするのは「選手の高いモチベーションをいかに維持するか。器用でなくともモチベーションがあれば工夫する」と明かす。自分の弱点やできないことを悩むではなく、自分の強みやできる方法を考える力を付けさせることに腐心する。また、「神経系のスポーツは、小学生から中学1年にかけて伸びる」と、14年に小学生対象の「松山東雲アーチェリークラブ」を創設。早い段階で競技に触れる場を設けた結果、クラブから多くの選手が松山東雲中に進学し、競技を続けている。

 

松山東雲中学・高校アーチェリー部のメンバー

松山東雲中学・高校アーチェリー部のメンバー

松山東雲中学・高校アーチェリー部のメンバー

松山東雲中学・高校アーチェリー部のメンバー

 

 「自分にアーチェリー経験がなかったことで、これまで良いとされていた練習にこだわらずに済んだことがよかった。新たな気づきを受け入れ、取り入れ、成長につなげることができた」と山川さん。インターハイ優勝、国体団体優勝を達成し、さらなる目標として「オリンピック」の野望が浮かんできたという。「2024年のパリ五輪日本代表3枠すべてを、うちの出身選手が占められれば最高ですね」と力強く語った。

 

山川厚(やまかわ・あつし)さん 広島県出身。広島大教育専攻科卒。1986年から松山東雲高に勤務し、長らく生徒指導を担当。2008年にアーチェリー部監督に就任。競技経験ゼロながら指導者となり19年茨城国体少年女子団体初優勝などの実績を残す。

 

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