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Eのさかな バックナンバー 1号

土井中照 中・東予と宇和島の鯛めし対決

2020年7月15日(水)(その他)

「Eのさかな」は愛媛県の魚を中心に食・自然・観光などの文化を全国に紹介していきます。

 

 「ところ変われば品変わる」のことわざ通り、「鯛めし」は中・東予と南予では料理の内容が全く違う。そのため、食べるときには注意が必要だ。観光客はもちろん、地元の人間でも戸惑うほどだ。自分の期待していたものと全く違う料理が運ばれてきて、唖然(あぜん)とすることになりかねない。こういう事態を避けるためにもメニューの説明をよく確かめ、係の人にどちらの地域の「鯛めし」かを、尋ねておくのがいいかもしれない。

 

中・東予の鯛めし

中・東予の鯛めし

中・東予の鯛めし

中・東予の鯛めし

 中・東予の「鯛めし」は、鯛を一尾丸ごと釜に入れ、醤油と酒、だしを加えて米とともに炊きあげる。ご飯が炊ければ、鯛の身をほぐしてご飯にまぜ合わせ、椀によそう。鯛の下に昆布を敷いておくと、「鯛めし」のなかに骨が混じることを防ぐことができる。複雑な鯛の旨味とご飯が混じりあう「鯛めし」は、魚の王者の風格を実感できる上品な味だ。あつあつの「鯛めし」をガツガツと豪快にかきこむと、食べることの幸せが心にしみる。

 美味しい中・東予の「鯛めし」を体験したいなら、釣船での「鯛めし」をお薦めする。釣ったばかりの鯛を海の水を入れた釜で炊き上げるので、程よい塩かげんとなる。釣果(ちょうか)が得られなくても、釣り船の生け簀には鯛が泳いでいるので、それを使うことができる。潮風を受けながら味わう「鯛めし」は至福の味だ。海を眺めながら、漁師の気分になっての食事は、何杯でも食べることができる。

 

南予の鯛めし(宇和島鯛めし)

南予の鯛めし(宇和島鯛めし)

南予の鯛めし(宇和島鯛めし)

南予の鯛めし(宇和島鯛めし)

 「鯛めし(宇和島鯛めし)」は、タレの中に漬けた鯛の刺身を、アツアツのご飯にのせ、そのタレをかける。タレは、だし汁に醤油、味醂、日本酒、砂糖、ゴマをあわせ、生卵を溶いたもの。ご飯にかけた卵が半熟になると食べ頃で、海苔やネギなどの薬味を加えると、さらに風味が増す。表面のみが蒸された鯛の刺身のプリプリとした食感と、タレがしみ込んだアツアツのご飯のコラボレーションは、まさに絶品だ。

 この「鯛めし(宇和島鯛めし)」は、「ひゅうがめし」とも「六宝(ろっぽう)」とも呼ばれる。名前の由来は、藤原純友(すみとも)が根拠地にしていた日振島の「ひぶり」が訛ったのが「ひゅうがめし」。「六宝」は醤油、味醂、 酒、砂糖、胡麻(ごま)、生卵の6種類の調味料を使ったからだという。

 西予市明浜では、日向(ひゅうが)国(宮崎)から伝わったので「ひゅうがめし」だといい、伊方町三崎では「りゅうきゅう(沖縄)」と呼ぶ。このことからもわかるように、南予の「鯛めし」は、海を渡って伝えられた漁師料理なのである。

 同じ地域に同一の名前で異なる郷土料理があるというのは、ややこしい話だが、どちらも優劣がつけ難い美味しさだ。魚の王者「鯛」を使ったふたつの「鯛めし」は、全国の人々の味覚を魅了することだろう。

 

 「Eのさかな」は「さかな文化」を代表とする愛媛の食・暮らし・自然・文化などを取り上げ、分かりやすく情報を発信するフリーペーパーです。

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