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2020
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県内患者ゼロに

コロナ第2波態勢課題 県中央病院、井上考司医師

2020年7月3日(金)

治療中の感染を防ぐため専用のビニールを設置したベッド。「看護の負担は重く、とにかく人手が必要だった」と井上考司医師=6月30日、松山市春日町の県立中央病院

治療中の感染を防ぐため専用のビニールを設置したベッド。「看護の負担は重く、とにかく人手が必要だった」と井上考司医師=6月30日、松山市春日町の県立中央病院

【31人受け入れ「経験・ノウハウは蓄積」】

 県内の新型コロナウイルス感染者82人のうち31人を受け入れた県立中央病院。呼吸器内科主任部長・井上考司医師は、感染者の増加で一時、逼迫(ひっぱく)が懸念された医療現場について「今後どうなるのか、先の見えない不安な時期もあった」と振り返る。第2波に向けた態勢維持などの課題を見据えつつ「経験やノウハウは蓄積された。手探りの中で患者が増えた当初より、いろんな面で準備は整っている」と見通す。

 県内では複数の集団感染が発生し、3月下旬~4月に連日のように感染者が確認された。同病院は受け入れの中核を担い、専門の医師、看護師らを中心に複数の病床を構えていたが、急速な患者数の増加に危機感を抱いたという。

 重症の感染者が増えれば集中治療室(ICU)が埋まり、「最後のとりで」の3次救急の機能に影響が出る。他の医療機関といかに役割を分担できるかが緊急の課題となり、まずは近隣の医師同士で連絡を取り合うなどして「態勢づくりを急いだ」と振り返る。

 県内の医療態勢は、現場の医師をメンバーに含めた県の調整本部が立ち上がり、整備が本格化した。県によると、当初70床だった受け入れ病床は現在までに223床に増加。4月下旬には宿泊施設の協力で無症状者や軽症者が療養する居室の運用も始まった。治療を要しない感染者にも医療機関が対応せざるを得なかった中、井上医師は「(宿泊療養施設の)ホテルができたのは非常に大きかった」と振り返る。

 検査結果が出る前の疑似症者を受け入れる場合もあり「感染者と疑似症者が交ざらないようにしつつ防護服での対応は必要で、線引きしながらの業務は想像以上に難しかった」と吐露。防護服を着けての治療や看護は、感染リスクも含め通常以上の負担がかかる。4月には同病院で看護師1人が院内感染した。慢性的な看護師不足もあり人員確保が一番の課題だった。

 治療はステロイドや酸素投与、血栓を防止する薬など病態に応じた対症療法が基本で、臨床研究として抗ウイルス薬のアビガンを投与する事例もあった。有効性が注目された一方、薬に副作用はつきもので「本当に必要な人を見極めて使う必要がある。タイミングや症状の評価は個々の症例で悩んだ部分」と説明する。

 県内の感染状況は落ち着きを見せるが「すぐに収束するものではない」と医療関係者ら。井上医師は「感染者が出たら切り替えられる準備をして通常診療にシフトするが、患者が増えれば人員を大きく調整する必要も出てくる。少なくとも1年程度はこういった対応が続くのでは」と見通す。第2波に備え、どの程度の医療態勢を維持すべきか、県全体での検討課題だ。

 未知の感染症に対し、関係者への心ない言動や差別も大きな問題となった。

 現在、厚生労働省が示す感染者の退院基準は、必ずしも検査による陰性確認が必要ではなく、退院までの期間も発症から10日間に短縮された。井上医師は「海外の報告も踏まえ、科学的に感染しない状態だと判断されている。今後、早期に退院する人たちが出てきた時に、地域が疎外することがないよう願っている」と社会の正しい理解を呼び掛けている。

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