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電子商取引、従業員シェアなど

コロナとの共生模索 県内の経済再開本格化

2020年6月29日(月)(愛媛新聞)

洗濯工程で、抗ウイルス水溶液を染み込ませたおしぼり=22日午後、松山市古川南3丁目

洗濯工程で、抗ウイルス水溶液を染み込ませたおしぼり=22日午後、松山市古川南3丁目

 愛媛県の新型コロナウイルス感染症対策が、独自に設定した3段階の警戒レベルで最も低い「感染縮小期」に移行したのに伴い、県内で経済活動の再開が本格化している。コロナ禍で落ち込んだ飲食店やサービス業などの売り上げは持ち直しつつあるが、感染拡大前の水準にはまだ戻っていない。事業者はウィズコロナ(コロナとの共生)時代に合った事業や雇用の戦略を模索している。

 レンタルおしぼりのキホク(松山市古川南3丁目)工場にある大型洗濯機で、一度に約3000本の布おしぼりが洗濯されていく。3回目のすすぎで染み込ませるのは、専門の装置から自動投入する抗ウイルス水溶液。従来はなかった工程だ。

 同社は県内の飲食店やホテル約1000店におしぼりを納品。新型コロナの感染拡大で取引先が休業したため4、5月の売り上げは前年同月比で50%以上減り、6月も約30%減となる見通しだ。そこで取り組んだのが商品の高付加価値化。ウイルスや細菌の働きを抑制する効果があるという水溶液を中四国で初めて導入し、衛生面を強化。22日出荷分から全3種類を抗ウイルスおしぼりに切り替えた。

 政府の専門家会議が提案する「新しい生活様式」でも、小まめな手指消毒が呼び掛けられるなど衛生意識が高まっている。「コストは増えるが、価格は据え置く。アルコール消毒の代わりとしても使ってもらいたい」と上田剛士社長(44)。強みを生かし、販路を広げていくという。

 新型コロナを機に急速に進むオンライン化。バー ミヤオ(松山市一番町1丁目)は電子商取引(EC)サイトを8月に開設し、新たな営業形態を構築する考えだ。店の本格的な味を自宅で楽しんでもらおうと、地元酒造会社と共同開発するカクテルを目玉商品に見据え、市販品との差別化を図る。クラウドファンディングで集めた資金の一部を開設費に充てる。

 4月から客足が遠のき、緊急事態宣言後の1週間は休業を余儀なくされた。売り上げ減少を少しでも補うため営業再開後にお酒のテークアウトをスタート。6月に入り来店客数は戻りつつあるが、店内は一定の間隔を空けるため客席を従来の約7割に減らしている。

 店主の宮尾翔一さん(38)は「オンライン化の加速を想定し、バーの在り方も変化が必要。第2波に備え、店舗とサイトの2本柱でお客さまとの接点を増やし、売り上げを積み上げたい」と力を込める。

 国によると、新型コロナに伴う経営悪化を理由にした解雇や雇い止めは見込みを含め2万6000人(19日時点)を超える。雇用への影響が深刻化する中、人材を他社と一時的に分け合う「従業員シェア」が国内外で始まっている。

 土産用菓子製造などの世起(松前町)は3~4月の4週間、義農味噌(同)にパート従業員の2割に当たる6人を出向させた。2月以降売り上げが減り、業務量も減少。親交のあった義農味噌から受け入れの提案があった。

 6人が担ったのは商品の袋詰めなど。週3~5日勤務し、給料は義農味噌が支払った。世起の今村暢秀社長(52)は「従業員の収入が変わらないまま雇用も維持できた。他社の食品管理システムを学び、勉強になったようだ」と振り返る。

 義農味噌の田中正志社長(63)は従業員シェアが人材確保に加え「組織の活性化にもつながる」と期待。一方で、受け入れ期間や勤務状況の情報共有を課題に挙げる。行政の支援なども欠かせないが、新たな仕組みが広がれば人材の流動性が高まり、雇用への影響を抑えられる可能性もある。

 愛媛銀行ひめぎん情報センター(松山市)の森本明センター長(65)は「新型コロナの感染拡大をきっかけに、IoT(モノのインターネット)などの進展でその延長線上に見えていた事業や働き方に前倒しで対応しなければならなくなった」と指摘。今後、異業種間の連携が一層進むとし「先見性や柔軟な発想でビジネスモデルを転換し、生き残りを図ることが大切」と提言している。

    ※新型コロナウイルス関連情報はこちら

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