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全国大会中止、前を向く

県内唯一の女子硬式野球部 新田1期生の3年生3人引退

2020年6月26日(金)

後輩にメッセージを送る新田高女子硬式野球部の3年生部員=18日、松山市山西町

後輩にメッセージを送る新田高女子硬式野球部の3年生部員=18日、松山市山西町

 新型コロナウイルスは女子野球にも暗い影を落とした。「女子の甲子園」とされる全国高校硬式野球選手権大会が中止となり、出場予定だった新田は集大成の場を失った。県内唯一の女子硬式野球部として2018年4月に創設され、3人の3年生は1期生。悔しさを乗り越え、汗を流した日々を糧にしようとしている。

 3人は主将の世古蘭々さんと薬師寺月奈さん、近藤紗弥さん。中学ではバレーやソフトテニス、空手に打ち込んだが「新しいことに挑戦しようと思った」(近藤さん)と野球部を選んだ。

 「キャッチボールすら、まともにできなかった。ルールを覚えるのも大変だった」と世古さん。薬師寺さんは「硬式ボールに怖さがあった」と当初を振り返る。初年度、最大6人いた部員は半分に。試合出場はもちろん、できる練習も限られ、先が見えない時期もあったという。

 ただ、そうした不安も現在の2年生の加入で払拭(ふっしょく)された。世古さんと薬師寺さんは3年間で印象に残る場面に、昨年5月に松山市であった試合を挙げる。新田として初の大会出場。初めてのヒットで三塁にいた世古さんを「一、二塁間を抜ける先制タイムリー」(薬師寺さん)で迎え入れた。1年以上がたった今も記憶は鮮明なままだ。

 先月29日、開催地の兵庫県丹波市と全国高校女子硬式野球連盟は大会中止を発表。秋山和輝監督は「大会は7月下旬だし、開催に踏み切るかという期待もあったが仕方ない」と受け止める。3年生には「野球部の基礎を築いてくれたのは彼女たち」とねぎらい、無念さをにじませた。

 初出場の昨年は1回戦を突破したが、2回戦で敗れ、もう一つ上を目指していた。「ここまでやってきたのに残念」と近藤さん。世古さんは「お世話になった人に成長を見せたかった」と唇をかむ。

 連盟は代替大会を10月中旬に開く方針を示したが、秋山監督は時期を考慮し、進路に向けた準備を最優先させるよう提言。3人も受け入れ、今月上旬の紅白戦で部活動にピリオドを打った。

 競技経験がないだけでなく、先輩も不在で右も左も分からないまま始まった野球生活。予期せぬ結末にも、世古さんと近藤さんは「技術だけでなく、人間性や心も鍛えられた」と感謝する。薬師寺さんは「頑張ってきたことは次につながる」と意義を見いだした。

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