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県内の団体、苦悩を訴え

マスク苦痛 理解して 感覚過敏の発達障害者ら 意思カード広がりも

2020年6月21日(日)(愛媛新聞)

意思表示カードを作った加藤路瑛さん(感覚過敏研究所提供)

意思表示カードを作った加藤路瑛さん(感覚過敏研究所提供)

感覚過敏でマスクなどが苦手なことを示す意思表示カード(感覚過敏研究所提供)

感覚過敏でマスクなどが苦手なことを示す意思表示カード(感覚過敏研究所提供)

意思表示カードを作った加藤路瑛さん(感覚過敏研究所提供)

意思表示カードを作った加藤路瑛さん(感覚過敏研究所提供)

感覚過敏でマスクなどが苦手なことを示す意思表示カード(感覚過敏研究所提供)

感覚過敏でマスクなどが苦手なことを示す意思表示カード(感覚過敏研究所提供)

 新型コロナウイルス感染防止のため、「新しい生活様式」の基本の一つに掲げられるマスク着用。だが感覚過敏で、どうしても着けられない人もいる。この苦痛を他の人に理解してもらうためにはどうすればいいのだろうか。県外では、意思表示カードを活用する動きも出ている。

 「気付いたらマスクをずらしたりポケットに入れたりして気が気でなかった」。自閉症スペクトラム障害(ASD)の高校生の息子がいる母親(46)=松山市=は、息子の様子を説明しながら苦労を語った。

 感染への不安が覆う中、社会はマスク着用に敏感になっている。通学などで外に出るたび、息子に対する周囲の目が気になった。マスクの形や大きさ、素材を変えるうち、ようやく耳が過敏なのが原因と判明。特定のひものマスクなら大丈夫だと分かったが「どうしても着けられない子もいるだろう。周りに理解してもらえればいいのだが…」と問題の難しさを口にした。

 「マスクの肌触りや蒸れ、締め付けなどに、著しく苦痛を覚える人もいる」と指摘するのは、発達障害児・者の支援団体「にいはまローズ」(新居浜市)の野沢佐絵美代表(47)だ。

 発達障害の特性の一つににおいや光、音などの刺激を過剰に感じてしまうケースがある。野沢さんは「感覚過敏があるから発達障害、発達障害だから感覚過敏があるとは限らない」とした上で、「下着などは特定のメーカーでないと駄目な人や、急激な環境変化を強いられ、強いストレスや不安を感じてしまう人もいる」と注意を促す。

 感覚過敏の在り方は千差万別だ。発達障害の子どもがいる親の会「ダンボクラブ」(松山市)の田中輝和代表は「マスクが無理な子がいる一方、対人関係の不安から年中着ける子もいる」とする。後者にとって今は「周囲から浮かず逆にうれしいかもしれない」とし、本人にしか分からない苦痛があると強調する。

 どうしてもマスクが着けられない子はどうすればいいのだろう。感覚過敏研究所(東京)は4月末から意思表示カードの無料配布をインターネット上で始め、徐々に広がりを見せている。考案者は中学3年生の所長加藤路瑛さん(14)。自身も味覚や嗅覚、聴覚などが過敏で、感覚過敏の人が暮らしやすい社会づくりを目指して起業した。

 カード作成は、会員制交流サイト(SNS)でマスクを着けていない子どもに対する誹謗(ひぼう)中傷を目にしたのがきっかけ。事情があって着けられないにもかかわらず偏見や差別にさらされる現状に問題意識を持った。カードには「感覚過敏があるためマスクやフェースシールドがつけられません」などと記載。かばんに付けたり、首からぶら下げたりして活用できる。

 加藤さんのもとには「マスクの着用が難しいことを学校に理解してもらえた」「着けていない人を見かけても事情や理由があると想像できるようになった」といった声が寄せられている。加藤さんは「感覚過敏は目に見えないので想像しにくい。少しでも感覚過敏のことを知ってもらい、相手の状況や立場を想像する社会になってほしい」と話している。

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