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2020
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どうなる どうする 中止ショック

長引く自粛生活 精神面の影響 メンタルトレーナー幸田さん(西予)に聞く

2020年5月17日(日)(愛媛新聞)

長引く自粛生活で、アスリートの精神面にも影響が及んでいると話すメンタルトレーナーの幸田裕司さん=13日、西予市宇和町下松葉

長引く自粛生活で、アスリートの精神面にも影響が及んでいると話すメンタルトレーナーの幸田裕司さん=13日、西予市宇和町下松葉

 新型コロナウイルスの影響で、スポーツ大会や関連イベントが軒並み中止を余儀なくされている。中高生の最終学年の選手は、これまで頑張ってきた活動の区切りとなる大会もなくなった。メンタルトレーナーとして子どもからプロのアスリートまでに関わる幸田裕司さん(54)=西予市=に、精神面の影響などを聞いた。

 

【目標失い意欲低下 スランプ増す懸念】

 ―現況をどう見るか。

 目標設定ができなくなり、選手だけでなく指導者やスタッフ、家族を含め、関係者全体のモチベーションが下がっている。

 競技や年代、障害の有無などを分けて、主に県内の選手や指導者に聞き取りを行った。状況や立場によって違いはあるが、意欲の低下や将来への不安の声は多い。ある競技のプロ選手と話した際、普段よりネガティブな言葉が増えたように感じたこともあった。

 

 ―具体的にどのような影響が懸念されるか。

 以前できていたことができなくなっている、また「それを認めたくない」という意識から、スランプやイップス(突然思い通りの動きができなくなる運動障害)に陥る選手が増えることが予想される。イップスはプレッシャーや不安を感じやすいプロ選手に多くみられるが、学生選手に表れてもおかしくはない。

 活動休止した分を取り戻そうと、オーバートレーニングになるのも心配だ。けがにつながる可能性がある。

 

 ―中高生の総体も中止が決まった。

 プロとは違い、一生に一度しか出られない大会もある。「今がすべてではない、次の目標に進もう」と言われても、簡単にそうは思えないだろう。

 普通はいくつかの目標があり、その先に目的がある。スキーの大回転に例えると、ポール(目標)を通過しながらゴール(目的)に向かうのが道筋。だが今はポールもゴールも見えず、どこに向けて滑り出せばよいか分からない状況。できることが限られている、何をすればいいのか分からないというストレスは大きい。全般的に投げやりになる生徒も出てくるかもしれない。

 

【競技の楽しさ意識 仲間との対話有効】

 ―考えられる対処法はあるか。

 通常、進路の決定や試合での活躍など、得られる対価があるから頑張れる。今はそれがない。だからこそ、その競技を楽しむ重要性について考えてみるのはどうか。競技を続けていると、初心は薄らぐもの。始めたきっかけや原点を改めて思い返すことはできる。

 またコミュニケーションは重要だが、電話やメールなどよりも、対面での会話のほうがストレス緩和の効果は大きい。直接会えなければ、ネットを利用したツールもある。指導者と選手、また仲間同士が顔を合わせ、今やりたいこと、今できることを一つずつ出し合ってみるのもいい。

 

 ―指導者に求められることは何か。

 メンタルトレーニングの基礎は、ストレスケアとコミュニケーションスキルの向上だ。これまで以上にコミュニケーションを図り、選手の気持ちに寄り添ってあげてほしい。

 試合は「試し合う」こと。実際の試合ができない分、自分と向き合い、選手自身がさまざまな思いや考えを内面で試し合えるようになればと思う。

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