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愛媛の高校スポーツ 指導者ファイル

<6>木塚健一(43) 済美高女子卓球部監督 古豪復活 黄金期築く 個々の戦術 動画も駆使

2020年5月10日(日)(愛媛新聞)

 

 県高校総体11連覇、全国高校選抜県予選12連覇。愛媛の高校女子卓球界で突出した強さを誇る済美。10年を超える長い黄金期は、駆け出し監督として赴任してきた木塚健一の成長とともに築かれた。

 1999年4月、済美高の保健体育科に1人の新人教師が加わった。福岡大を卒業したばかりの木塚。かつて全国制覇も成し遂げた古豪へ、22歳らしい野心を秘めて赴任してきた男を待っていたのは、期待にほど遠い現実だった。

 「ラケットの握り方、練習時の服装…、同好会の延長のようだった。実力的にも、県大会に出るのがやっとという感じでした」

 そこからは「毎日がイライラの連続だった」という。思い描くレベルに導こうとするあまり、指導は「スパルタ状態」に。就任3年目に県内の有力選手がそろって入部し、一時的な好成績は手にしたが、彼女たちが卒業すると再び低迷期に入ってしまった。

 「今思えば、監督としてのスタートの切り方、一度上がって、また沈んだ時期が一番大事だったのかもしれない。自分の考えだけにこだわるのではなく、どうすれば目の前の選手を勝たせてあげられるのか、真剣に考えるようになりました」

 若さが生んだ一方通行を改め、指導スタイルを軟化させることにした。選手の個性に合わせた戦術を考え、必要な技術を身につけさせる。強みを自覚させ、その錬磨と弱点克服を同時に進める。「形にこだわり過ぎていた」という指導哲学の改革に腐心した日々が、その後県内で10年以上頂点に立ち続ける黄金期の土台になった。

 木塚の指導は、選手に「勝てる、勝ちたい」と思わせることから始まる。中学時代はかなわなかった全国クラスの強豪に対し、いかに実感の伴う目標として勝利を意識させられるか。その成否が日々の練習の密度を変え、3年間で積み上げられるものの高さを決める。今、動機付けのために駆使するのは、動画投稿サイト「ユーチューブ」だという。

 「いくらでもレベルの高い試合を見られる時代ですからね。多い日は2~3時間見続けます。部員に合うプレースタイルの選手を見つけて紹介したり、実際の高校生の試合を見せてレベルを実感させ、やる気を刺激したり。とにかく意識付けです。今は動画を見せることが一番の指導かもしれない」

 「いつか日本一」と走り続ける木塚。毎年思うことがあるという。

 「選手が卒業するたび『もっとこうしてあげれば良かった』と。必ずです。でもそれって、指導者としての自分の伸びしろでもある。そう感じる間は、辞められないなと思っています」(敬称略)

=おわり

 

 【きづか・けんいち】 松山市出身。選手時代は松山北高で全国高校総体(インターハイ)出場、福岡大4年時に全日本インカレで団体3位に入った。

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